橋桁などに多数のひび割れが生じた斜張橋の呼子大橋(佐賀県唐津市)で、原因とみられる斜材(ケーブル)の振動への対策が決まった。1組になった2本のケーブル同士の間隔を狭めて、強風時に生じる互いの気流の影響を減らす。併せて、これまでたびたび切れていた制振ワイヤの破断対策も施す。

ケーブルの振動対策。1組になった2本のケーブル同士の間隔を狭くして、風による振動を抑制する。たすき掛けしている制振ワイヤを平行にして摩擦を生じにくくする(資料:国土交通省)
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 国土交通省九州地方整備局が、2019年11月12日に開いた「呼子大橋修繕対策検討会」(会長:日野伸一・大分工業高等専門学校校長)で明らかにした。橋を管理する唐津市に代わって修繕を実施する国が、16年度から一部で対策を試行してきた。残りの箇所の対策工事を進め、19年度内の完了を目指す。約10億円と見込まれる総事業費の6割を国が、4割を市が負担する。

 呼子大橋は、プレストレスト・コンクリート(PC)連続斜張橋(橋長494m)の主橋とPC連続ラーメン箱桁橋の取り付け橋(橋長234m)から成る。施工者は鹿島・松尾建設(佐賀市)・岸本組(佐賀県唐津市)JV。ひび割れは施工中から生じており、1989年の供用後に拡大・増加していた。

 ケーブルの振動の一因とされるのが、平行に並んだ2本のケーブルで発生する「ウェイクギャロッピング」だ。これは、風上側のケーブルの後方に起こる気流の影響で風下側のケーブルが振動する現象を指す。施工段階で既に、この現象の発生を確認していた。

ウェイクギャロッピングの概要。風上側のケーブルの後方に起こる気流の影響で風下側のケーブルが振動する(資料:国土交通省)
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 ウェイクギャロッピングは、2本のケーブルの間隔が直径の1.5~6倍の場合に起こりやすいと分かっている。呼子大橋では、直径75.5mmのケーブル同士の間隔が1.85倍、直径83.5mmのケーブル同士の間隔が1.92倍と、いずれも発生しやすい間隔になっていた。そこで、1.25倍となるようにケーブルを束ね直して間隔を縮め、ウェイクギャロッピングの発生を抑える。

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