西松建設と東京大学発の無線通信ベンチャーのソナス(東京・文京)は共同で、無線振動計測システム「sonas x02」を構造物のモニタリングに適用した。建物の複数の階で振動データを漏れなく同時刻に取得し、構造物の状態を常時監視したり地震が起こった際に健全性や残余耐力を迅速に確認したりできる。

 計測システムには、ソナスが開発したサブギガ帯と呼ばれる920MHz帯の省電力マルチホップ無線「UNISONet Leap(UN Leap)」を搭載。高層ビルなどで階層をまたいだ無線通信を可能にした。ケーブルの敷設が不要なので、配線工事の費用や手間を大幅に減らせる。

無線振動計測システムを使った構造物モニタリングの概要。親機と子機、ソフトウエア、クラウドで構成する(資料:ソナス、西松建設)
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振動の計測センサーを設置。搭載するセンサーや電池は、モニタリングの目的に応じて変えられる(写真:ソナス、西松建設)
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 構造物の点検は一般に、技術者が目視で実施する。地震時には多くの構造物が被災するため、緊急点検に必要な技術者を十分に配置できない。防災拠点となる官庁舎や避難所では素早い健全性の判断が求められる。ただし、高層ビルなどの大規模な建物となれば、点検には数カ月を要する可能性がある。

 そこで注目を集めるのが、センサーによる振動モニタリングだ。特に、配線工事の要らない無線のシステムに期待が高まる。

 ソナスのUN Leapは、子機が親機とだけ通信するシングルホップ型に対し、子機がデータの中継機能を持ってバケツリレー式にデータを送るマルチホップ型のLPWA(ローパワー・ワイド・エリア)を採用している。省電力で、トレードオフになりがちな通信の距離と速度を両立できる。

 計測データの漏れや電池の取り換え頻度の高さ、子機ごとの計測時刻のずれなど、従来のIoT(モノのインターネット)センサーで生じていた課題も解決する。有線システムで計測したデータの品質に匹敵する。

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