2019年10月の台風19号で、千葉県では計4人が死亡した土砂崩れ現場3カ所がいずれも土砂災害警戒区域に指定されていなかった。そのうち2カ所は事前の基礎調査で危険性が判明していたが、県の指定が遅れていた。

 千葉県は全国でも特に指定の遅れが目立つ。土砂災害の危険性を把握している箇所のうち、警戒区域の指定が済んだ箇所の割合は全国最低の36.49%。9割近い全国平均に対し、際立って低い。

2019年8月31日時点の土砂災害警戒区域と土砂災害特別警戒区域の指定状況。指定率は、各都道府県が基礎調査で危険箇所と推計した区域のうち、警戒区域の指定が済んだ区域の割合。50%を下回る3県と、首都圏の都県、全国平均を載せた。国土交通省の資料を基に日経コンストラクションが作成
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 土砂災害防止法に基づき、土砂崩れなどで住民に危険が及ぶ恐れのある場所を、都道府県が土砂災害警戒区域に指定する。指定を受けた区域を持つ市町村は、災害時の情報伝達や避難の体制を地区防災計画に定め、ハザードマップを作って住民に危険を周知することが義務付けられている。

 千葉県で死者が出た土砂災害現場は、千葉市緑区誉田(ほんだ)町と同区板倉町、市原市郡本の3カ所。板倉町と市原市の現場は、県が基礎調査で危険箇所と判定し、警戒区域の指定に向けて住民説明会の準備をしているところだった。

 都道府県は、地質や地形、過去の被害状況から土砂災害の危険性を調べる基礎調査を実施し、国土交通省の指針などに基づいて危険箇所かどうかを判定する。例えば土砂災害が起こりやすい急傾斜地の警戒区域は(1)傾斜度が30度以上で高さが5m以上(2)急傾斜地の上端から水平距離が10m以内(3)急傾斜地の下端から急傾斜地の高さの2倍以内――の範囲が当てはまる。

急傾斜地の警戒区域と判定する箇所のイメージ(資料:国土交通省)
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土砂災害警戒区域の基準。基礎調査で、急傾斜地、土石流、地滑りの危険箇所を調べる(資料:国土交通省)
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