日立製作所と応用地質は、下水道やガス管といった道路の地下埋設物の情報をマップ化して提供するサービスを2020年度に開始する。両社によると、自治体などから委託を受けて路面下を調査するサービスは既にあるが、先行投資をして埋設物のデータベースを構築する例は初めて。

地下埋設物の情報提供サービスのイメージ(資料:日立製作所、応用地質)
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 新サービスは道路を管理する自治体や、電気・ガスといった施設の管理者、また道路事業に携わる設計会社や施工会社などへ幅広く提供する。19年9月5日に、日立製作所と応用地質がサービスの協業に向けた覚書を締結した。応用地質によると、先行投資額は数億~十数億円規模だ。

新サービスの概要(資料:日立製作所、応用地質)
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 埋設物のデータベース構築までの大まかな流れは以下の通り。最初に応用地質が、地中レーダーを搭載した車を走らせて路面下の画像を取得する。続いて日立製作所がAI(人工知能)を用いた画像解析技術で埋設管や空洞などを判別し、同社のクラウドサービス基盤を活用してデータベースを作る。

 道路で工事を実施する場合、電気やガスといった埋設物の資料はそれぞれの管理会社が保有しているため、情報収集に手間がかかる。図面などが残っていても埋設物の位置が誤っていることが多く、設計や施工の課題だった。

 データベースがあれば、容易に情報収集できる上、想定していない位置に埋設物や空洞があることによる設計の手戻りなどが減らせるため、道路工事を効率よく実施できる。また、道路や施設の管理者が埋設物の正確な位置を把握できるようになり、災害時の復旧作業などにも役立つ。

 新サービスでは、埋設物情報を利用者に合わせて提供していく。例えば、道路や施設の管理者には、工事前に埋設管のおおよその位置を確認する「占用者協議」が円滑に進められるように、3次元で埋設管を表示できるマップを提供する。

道路管理者などに向けた3次元マップの提供イメージ(資料:日立製作所、応用地質)
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 一方、施工会社には工事前の試掘の参考になるように、配管同士の距離や路面の白線と配管との位置関係といった詳細な情報を提供する。施工会社に向けて工事範囲などの情報をピンポイントで提供する場合、1m当たり数千円から1万円の価格になる見込みだ。

施工会社などに向けた詳細情報の提供イメージ(資料:日立製作所、応用地質)
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