神戸市の三宮駅前に西日本最大級のバスターミナルを整備し、周辺に点在する中・長距離バスの乗降場を集約する計画が進んでいる。道路上空の民間利用などを可能にする「立体道路制度」を使い、再開発ビルの下層部にターミナルを設ける。さらに、6つの鉄道駅や周辺施設との間で人の行き来をスムーズにするため、国道の上空に人工地盤(デッキ)を整備する。

三宮駅前の将来イメージ
6つの鉄道駅と点在する中・長距離バス停をつなぐ(資料:国土交通省、神戸市)
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 国土交通省と神戸市は、2019年8月30日に「国道2号線等神戸三宮駅前空間の事業計画」の中間取りまとめを発表した。19年度中に、バス事業者や鉄道事業者などと連携して具体的な事業内容や完成時期などを検討する。

 三宮には、地下鉄西神・山手線三宮と阪急神戸三宮、JR三ノ宮、ポートライナー三宮、阪神神戸三宮、地下鉄海岸線三宮・花時計前の6つの鉄道駅が集中。それらの間に中・長距離バスの乗降場が点在する。

 乗り換えの動線が分かりにくいことに加え、歩道が狭く、段差があるなどバリアフリー化が進んでいないことが課題になっている。さらに、国道2号の三宮交差点付近は慢性的にバスや車が集中しているので、歩行者との接触事故の危険性が高い。

三宮駅周辺の鉄道駅とバス停の現状
行き先などによってバス停が分かれている。待合所が無いバス停もある(資料:国土交通省、神戸市)
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 そこで国交省と神戸市は、三宮交差点の周辺や駅前広場を「三宮クロススクエア」として一体で整備する。鉄道駅とバスターミナルをデッキでつないで回遊性を高め、道路の車線数を減らして歩道を広げる。さらに地下道を加えて、デッキ、地上、地下の3層で駅前空間をつなぐ。25年ごろの整備開始を目指す。

 バスターミナルは、JRと阪神、ポートライナーの駅が集まる三宮クロススクエアの東側に設置する。建設予定の再開発ビルと一体化して、商業と観光業の相乗効果を狙う。

再開発ビル内にバスターミナルを設置する
(資料:国土交通省、神戸市)
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 災害時に駅前空間を帰宅困難者の退避所とすることも想定している。駅周辺では、巨大地震などの際に14万5000人に上る帰宅困難者が生じると予想される。しかし、近くの一時滞在施設に収容できるのは1万1000人にとどまる。三宮クロススクエアに多言語対応の案内板や災害用トイレを備える他、バスターミナルを帰宅困難者の代替輸送や物資集積の拠点として使うことを検討する。

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