日立建機は、新しい安全の概念である協調安全を実現する建機の研究開発に注力している。今後、特に建機の自動化・無人化が進む中、建設現場の安全を担保していく上で、人と建機の情報交換による協調安全の考え方は欠かせない。同社で、協調安全の研究開発の陣頭指揮を執るのは、研究・開発本部先行開発センタでセンタ長を務める枝村学氏だ。同氏が、今後の建機の在り方と協調安全の考え方をメディアに初めて語った(話し手:枝村 学=日立建機 研究・開発本部先行開発センタ・センタ長、聞き手:荻原 博之=日経BP総研)。

 日立建機では、数年前から、建機を含めた建設現場における協調安全の研究開発に取り組んでいる。協調安全の定義はまだ世の中できちんと定まっていないが、我々は、建機のオペレーターやその周囲の作業者、監督者など建設現場のステークホルダー間の情報交換・情報共有を通してリスクを最小化することと捉えている。

日立建機で協調安全の研究開発の陣頭指揮を執る枝村学氏(写真:新関 雅士)
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 機械安全の基本は停止・隔離の原則だ。しかし、建設現場は工場と違って、危険源である建機を作業者と隔離したり停止したりして安全を確保することが難しい。建機単独でできることには限りがある。そこで、建機に実装する安全方策だけではなく、作業員やプロセスの管理、建機とは別の安全の仕組みなどを組み合わせて、全体のリスク低減を図ることが必要になる。

 具体的には、位置情報を把握・管理するために、作業者に対してRFIDタグを付けさせるというのが良い例だ。「RFIDタグだと、作業者が付け忘れる恐れがあるから、カメラを設置して位置情報を把握した方が良い」という意見もあるかもしれない。しかし、「管理者が作業者にRFIDタグをつけさせること」「作業者はRFIDタグを必ず持つこと」といったルールの徹底は、現場の管理レベルを向上させる。安全に対する意識付けにもなるのだ。

 この例のように、協調安全は情報交換・情報共有によって、単に事故を防ぐだけではなく、人を安全側に導くことを目指す概念だ。こうした考え方をベースに、当社では協調安全に対応した製品やソリューションの研究開発に注力している。

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