三井住友建設は、ひび割れの原因となる収縮がほぼゼロのコンクリート「サスティンクリート」と、腐食しないアラミド繊維強化プラスチック(FRP)ロッドの緊張材とを使った超高耐久のプレストレスト・コンクリート(PC)桁を造った。同社技術本部技術研究所建設材料グループの松田拓グループ長は、「理論上は2000年近く耐えられる。これだけ耐久性を高められる技術は他にない」と自信を見せる。

サスティンクリートを適用した実物大の桁。曲げ載荷試験の様子(写真:三井住友建設)
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 サスティンクリートは、セメントの大部分を高炉スラグ微粉末やフライアッシュ、シリカフュームなどの産業副産物に置き換えてある。普通ポルトランドセメントの使用を抑えられるので、セメントの製造過程で生じるCO2の排出量を削減できる。セメントを使わない配合でも圧縮強度は70N/mm2以上。セメントの配合割合に応じて、最大250N/mm2まで高められる。

セメントを使わないサスティンクリートの配合例。一般的な高強度コンクリートと比べて産業副産物で構成する割合が多く、単位水量は少ない(資料:三井住友建設)
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 骨材は自己収縮が起こりにくいものを採用。さらに、単位水量を90~130kg/m3程度と小さくして乾燥収縮を抑制している。わずかに生じる収縮を膨張材による初期膨張効果で相殺し、乾燥による収縮を正味ゼロにした。

 一般に、単位水量が小さいとコンクリートの流動性は下がり、作業性が悪くなる。そこで、混和剤(高性能減水剤)などによって流動性を高めた。充填しやすく、複雑な形状でも高強度コンクリートを打設できる。

サスティンクリートと一般的な高強度コンクリートが起こす自己収縮と乾燥収縮のひずみの比較。サスティンクリートの乾燥収縮のひずみが正味ゼロであることが分かる(資料:三井住友建設)
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サスティンクリートを充填する様子
流動性が高いため、充填不足を防いだり、作業効率を向上させたりする効果が見込める(動画:三井住友建設)

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