ボーリング調査中の掘削機が2019年7月11日にJR長崎線のトンネルを貫通した事故で、発注者の鉄道建設・運輸施設整備支援機構が参考にした地図に誤りがあった可能性が高いことが分かった。地図上では調査地点がトンネルと離れていたため、機構はJR九州から詳細な図面を取り寄せて確認していなかった。

ボーリング調査の掘削機が当たって損傷した特急「かもめ16号」(写真:JR九州)
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 事故は、浦上駅と現川(うつつがわ)駅を結ぶ長崎トンネルで起こった。7月11日午前10時25分ごろ、長崎発博多行きの特急「かもめ16号」が、トンネルの天井を貫通した掘削機に接触。異音を聞いた乗務員が列車を緊急停車させ、先頭車両の前面左側などに損傷があるのを確認した。154人の乗客と4人の乗務員にけがはなかった。

 ボーリング作業は、鹿島・梅林建設・長崎西部建設JVが19年7月2日から長崎市川平町で実施していた。九州新幹線長崎ルートのトンネル掘削の影響で周辺地域の川や井戸の水が減ったため、それを補う水源を探すのが目的だ。

 20~100mの深さまで掘り進める予定だったが、13mほど掘ったところで長崎トンネルにぶつかった。掘削機は、厚さ60cmの覆工コンクリートを突き抜け、現川駅に向かって左側の天井に直径15cmの穴を開けた。

 鉄道・運輸機構は、午前10時50分ごろにJR九州から連絡を受けて異変を把握した。掘削機が硬いコンクリートに当たったり、坑内まで貫通して空転したりすれば、現場の技術者は異変に気づくはずだ。しかし、施工者から鉄道・運輸機構への連絡はなかったという。施工者が事態に気づいたタイミングや掘削機がトンネルを貫通した時刻は明らかにされていない。

 同機構は7月13日、ボーリングで掘った穴を埋め戻した。トンネルの安全性に問題はないという。

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