安藤ハザマはユニアデックス(東京・江東)と共同で、過去の施工記録などの書類から、AI(人工知能)で現場管理のノウハウを引き出す「建設ナレッジシステム」を開発した。熟練技術者の暗黙知を形式知化して、次世代への技術伝承を目指す。

現場管理の暗黙知を施工記録から引き出す
開発した「建設ナレッジシステム」の概要。社内で蓄積されてきた施工記録文書や論文を自然言語処理を使って分析する。現場管理者は、工事の工程ごとのマネジメントで必要な知識を得られる(資料:安藤ハザマ)
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 現場所長などは、現場の条件に応じて品質やコスト、環境への影響を考慮し、工事が円滑に進むように作業方法を検討する。他の工事での検討事項や予防措置の内容、不具合の発生状況を参考にすればリスクを低減できるが、現状では十分に活用できていない。コンピューター上に保管している膨大な資料から、工程に応じた注意事項を探し出すのは難しいためだ。

 一方で今後、ベテランの技術者が大量に退職すると、中堅社員や経験の浅い若手社員が現場を管理しなければいけなくなる。自分の経験や周囲からの助言だけでは、リスクを把握しきれない恐れがある。

 そこで両社は、安藤ハザマが過去10年間に担当した工事の記録文書を全てAIで解析。暗黙知化しているノウハウなどを抽出して、必要な知識を適切なタイミングで引き出せるようにした。

 具体的には、自然言語処理技術を活用している。日常の会話や文章をコンピューターで解釈するために使われる一連の技術だ。正確な解析のためには、土木工事で使う専門用語や言い回しをAIに学ばせる必要がある。安藤ハザマ建設本部技術研究所の黒台昌弘先端・環境研究部長は、「オリジナルの用語辞書を読み込ませて、土木工事専門のAIを作り上げた」と開発のポイントを話す。

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