川田テクノロジーズと川田工業は、米国のSRI International(SRI)と共同で、溶接中の作業状況がリアルタイムで明瞭に見える「次世代3D溶接マスク」を開発した。溶接中は非常に強いせんこう(アーク)が発生するため、保護面を付けて狭く暗い視界の中で作業するのが一般的だ。開発したマスクを使えば、目を保護しながら従来の約20倍の範囲が明瞭に見えるため、溶接技能の習得期間を早められる。

開発した「次世代3D溶接マスク」。フルフェイスヘルメット型の前面にヘッドマウントディスプレーを取り付けている(写真:川田テクノロジーズ)
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 次世代3D溶接マスクは、非透過型のヘッドマウントディスプレー(HMD)を取り付けている。マスク前面のカメラで撮影した画像を、リアルタイムで処理しながら3D映像としてHMDに表示する。外部電源を必要とせずバッテリーで動くので、屋外や狭いトンネル内など様々な現場で使える。

通常の溶接時の視界イメージ(資料:川田テクノロジーズ)
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「次世代3D溶接マスク」装着時の視界イメージ。左右それぞれの視界に合わせた合成画像をのぞき込むことで3次元画像として視認できる(写真:川田テクノロジーズ)
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 溶接では、つなげたい金属同士の接合部に溶接棒という融点の低い金属を当てて、熱などで溶かして一体化する。溶接の質はビードという溶接棒が溶けた跡の出来形などで確認するのが一般的だ。

 アークが目に有害な紫外線(UV)を含んでいるために、溶接時には遮光フィルターを使った保護面を付けて作業する。しかし遮光フィルターは可視光をほとんど通さないため、作業員は保護面を付ける前に溶接する位置を確認し、保護面越しの非常に狭く暗い視界の下、記憶したラインをたどっていかなければならない。ビードの出来形の確認も、作業を終え保護面を外してからだ。

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