幅77.3m、長さ150m(煙突部増設を含む)、高さ45.9m、体積43万1545m3の負圧密閉式テントが、2018年12月26日時点で「世界最大」としてギネス世界記録に認定された。「サッカー場を丸ごと収めてもまだ余る大きさ」と言えばその大きさが伝わるだろうか。設計や建設などに関わったのは、鴻池組(大阪市)、トータル環境(東京・文京)、今泉テント(新潟県長岡市)、環境リース(東京・文京)の4社。この巨大なテントは光が丘清掃工場(東京・練馬)の解体作業のため17年上期に約6カ月かけて設置された。

ギネス世界記録で「世界最大」に認定された負圧密閉式テント。幅77.3m、長さ150m、高さ45.9mで体積は43万1545m3となる(写真:タクマ・鴻池JV)
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 テントは内部が完全密閉で常時負圧になっているため、解体作業で発生した粉じんが周辺に飛散しない。屋内は大型重機が自在に動ける広さがあり、日本に数台しかないアームの長さが35mある200t級解体機を投入できた。天井には農業用スプリンクラーを35カ所に設置。「このテントは屋内に雨が降って粉じんの飛散を抑えるんですよ」と、光が丘清掃工場建て替え工事で副所長を務める鴻池組の橘敏明氏は話す。

テント内で稼働する大型重機。アームの長さが35mある最大級の解体機を現場に導入した(写真:タクマ・鴻池JV)
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テント断面図。天井には農業用スプリンクラーを設置しており、雨のように散水して粉じんの飛散を抑える(資料:タクマ・鴻池JV)
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 1983年から32年間稼働した光が丘清掃工場は2016年6月から建て替え工事が始まった。都内に焼却施設の代替建設地はなく、老朽化した焼却施設を解体した敷地に新設するほかなかった。しかし、同施設は大規模団地の中に立つ。東には総合病院、南にはショッピングセンターが隣接する立地で、騒音や粉じんには細心の注意を払う必要があった。

解体工事に入る前の光が丘清掃工場。団地の中にあり、周囲はショッピングセンターや病院に囲まれている(写真:タクマ・鴻池JV)
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 テントの設計や設置などに関わったトータル環境の夏井康雄専務は、「近隣への配慮が解体における最重要事項だった。騒音や振動の低減は必須。作業内容の情報公開も欠かせなかった」と振り返る。特設ウェブサイトで建て替え工事の進捗や敷地境界で計測中の騒音、振動の数値を公開している。

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