油圧ショベルやダンプトラックなどの建設車両で世界市場をリードする米キャタピラー(Caterpillar)の建設デジタル&テクノロジー部門でプロダクトマネージャーを務めるフレッド・リオ(Fred Rio)氏に、世界から見た日本の建設車両の自動運転技術や、同社の技術開発の方向性などを聞いた。

フレッド・リオ(Fred Rio)氏
米キャタピラーの建設デジタル&テクノロジー部門でプロダクトマネージャーを務める。舗装製品部門に20年所属し、欧州、アジア、北米などでの勤務経験を持つ(写真:都築 雅人)

 日本における建設機械の自動運転や自律運転の技術水準は、世界でどのような位置付けなのでしょうか。

 国土交通省が政策を打ち立てて取り組むなど、日本は建設現場の効率化に向けた取り組みに最も力を入れている国です。重機など建設機械の自律運転や自動運転の分野では、世界の上位数パーセントに位置する技術レベルだと思います。日本では重機の自動運転や自律運転の需要が大きくなるとみていますし、開発された技術を世界に発信していく可能性も高いと考えます。

 重機のオペレーターを巡る問題は、様々な国が抱えています。内容は国によって異なりますが、日本ではオペレーターの高齢化が問題です。これは、統計が如実に示しています。「危険」で「汚く」、「給与もそれほどもらえない」という状況で、若い人がオペレーターになりたがらないという気持ちはよく分かります。もっと魅力的な仕事に変えていかなければなりません。

 キャタピラーが持つ作業車両の自動運転技術は、どのくらいの水準ですか。

 鉱山での作業車両で、自動運転や自律運転の技術を実用化しています。自動運転などに取り組んで、もう10年以上が経過しました。商用化できるレベルに達してからも、既に5、6年を経過したところです。

 代表的な重機はダンプトラックと装薬用の削孔機械です。例えば、ダンプトラックでは、鉱山で13億トンの材料を自動運転で運搬した実績があります。走行距離は4500万kmに達しています。装薬用のドリルについては、事前にプログラミングされた計画に沿って、自動的に削孔できるという状況です。

 建設現場と鉱山では状況や環境が異なるので、簡単に応用できないのではありませんか。

 確かに建設現場と鉱山を比べると、鉱山の方が状況の変化は少ないです。Wi-Fiといった通信環境も整えやすい。一方の建設現場では、作業に用いる重機の種類が多くなるなど複雑さは増します。周辺状況も刻一刻と変わる。それでも、建設現場での自動運転や自律運転は、鉱山で成し遂げた革命的な技術を進化させていけば実現できると信じています。

 キャタピラーでは、2020年をめどに自動運転や自律運転に対応できる振動ローラーを発売する予定です。工場から出荷された機械に何も手を加えなくても、遠隔操作や自動運転などが可能になるのです。そのために3つの基本技術を組み込みました。

キャタピラーでは、建設機械の自動化を推進している(写真:キャタピラー)
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