日之出水道機器は九州工業大学大学院の山口栄輝教授らと共同で、デッキプレートと補強リブを一体成型した鋳鉄製の道路橋床版を開発した。同社によると、道路橋床版を鋳鉄で製作するのは世界初だ。鉄筋コンクリート(RC)床版より6割軽い上、溶接が不要なので疲労耐久性が高い。重交通路線の橋や合成桁の床版取り換えといった、施工条件が厳しい工事などに提案していく。

鋳鉄製の床版のパネル10枚を地組みした様子。写真の左右が橋軸方向。材質はFCD500(写真:日之出水道機器)
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 開発した床版は、厚さ13mmのデッキプレートの下面に、高さ190mmの補強リブを格子状に配したパネルをつなぎ合わせる構造だ。ダクタイル鋳鉄という靱性(じんせい)に優れる材料を使う。パネルは型枠に材料を流し込んで一体成型するため溶接が不要で、パネル同士や主桁との連結には高力ボルトを使用する。鋼床版の場合、デッキプレートと補強リブの溶接部が弱点となって疲労亀裂が発生することがあった。

 パネルの重量は1m2当たり250kgと軽量なので、施工の制約が多い床版取り換え工事での採用を見込む。例えば、橋桁と床版が一体となって荷重に抵抗する合成桁の場合、床版を撤去すると耐力が落ちるため、新しい床版を設置する前に桁の補強が必要になる。取り換える床版が軽ければ、桁の補強を最小限に抑えられる。

鋳鉄床版のパネル裏側。左右が橋軸直角方向。補強リブを含めた床版厚は20cmに満たないので、薄い床版の取り換えにも適用できる(資料:日之出水道機器)
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 現場の作業は高力ボルトを締めるだけなので施工性が良く、設置完了後はすぐに交通開放が可能だ。交通量が多く、通行止めの期間を短くしたい都市高速の床版取り換えでもメリットがある。日之出水道機器の聖生守雄技師長は、「既存の床版技術で対処が難しい特殊な工事でこそ、力を発揮できる」と意気込む。

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