2018年9月の北海道地震から半年以上が過ぎ、不同沈下などの被害が出た宅地で、液状化が原因だったと新たに分かるケースが出てきている。被害を受けた住民らは、開発業者や行政に対策などを求めている。

東月寒サニータウン内で見つかった長さ20mの地割れ(写真:日経ホームビルダー)
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 新たに液状化などの原因が判明した宅地の1つが札幌市豊平区の「東月寒サニータウン」。1978年に三井不動産(現在は三井不動産レジデンシャル)が傾斜地を切り盛りして平らに造成し、分譲した宅地だ。東側には札幌市内で液状化被害が集中した清田区との境となる吉田川が流れ、南側は吉田川公園に隣接している。地震後、切り土と盛り土の境界付近がたわむように、最大で30cmほど沈下した。

 札幌市は18年12月から19年3月にかけて、宅地内を通る道路12カ所と吉田川公園内でボーリング調査を実施した。地下水位や土質調査の結果から国土交通省の基準に従って液状化判定を行い、宅地内の道路の1カ所を「液状化危険度が高い」と分類。3月30日に開いた住民説明会で、「地下水位が高い場所は液状化、低い場所は切り土と盛り土の境界における地盤強度の違いが主な原因」と説明した。

ボーリング調査実施地点と地下水位。札幌市の資料を基に日経コンストラクションが作成
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 切り土と盛り土の境界は、造成する際に埋設した暗きょのほぼ真上に位置している。そのため、暗きょ内部への土の吸い出しで地中に空洞が形成され、それが地震で潰れて地盤沈下を引き起こした可能性を指摘する専門家もいた。しかし市は、今回のボーリング調査で大きな空洞が確認されなかったため、地盤沈下と暗きょの間に関連性は無いと判断している。

切り土と盛り土の境界と暗きょの位置。札幌市の資料を基に日経コンストラクションが作成
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 住民は宅地の造成に不備があったとして、三井不動産レジデンシャルに擁壁の修復や地盤改良などの対応を求めている。同社は取材に対し、「個人情報を含む話なので、コメントは差し控える」として対応を明らかにしていない。

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