西松建設が開発した高保水性シート「モイスチャーウォール」。一度の給水で長時間ムラなく湿潤状態を保つことができる(写真:西松建設)
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 コンクリートの品質や耐久性を担保するには、打設後の湿潤養生が極めて重要だ。西松建設は、コンクリート構造物の壁面を高保水性シートで覆い、均質な湿潤状態を長く保てる「モイスチャーウォール」の技術を開発した。1日1回程度の給水でシートに水を含んだ状態を維持できる。不織布やスポンジを使う従来のシートは保水性が低く、1日に何度も給水する必要があった。

 モイスチャーウォールでは、繊維メーカーが開発した厚さ2mmの特殊な保水素材を、厚さ6mmのポリプロピレン製の基材に一体成型した高保水性シートを使用する。1m2当たりの重さは吸水前で560g、保水力は重量比で300%となる。シートはつなぎ合わせることが可能で、10回ほど転用ができる。設置方法も簡単で、シートを角材で押さえて締め付け用金具で固定するだけでよい。シート上部にホースをはわせて、ポンプなどで水を自動供給する。

高保水性シートの構造。写真手前が繊維メーカーが開発した保水素材。厚さ約2mm、重量は約160g/m2。厚さ6mmのポリプロピレン製の基材(重量約400g/m2)と一体化している(写真:西松建設)
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 西松建設は今後、東北地方で施工中の橋梁工事にモイスチャーウォールを使う予定だ。同社技術研究所土木技術グループの椎名貴快上席研究員は、「モイスチャーウォールは建設現場の働き方改革にも役立つ技術だ」と話す。コンクリート構造物の鉛直面や傾斜面などにおける湿潤養生は、重力や蒸発でシートから水分が失われやすいため、壁面の湿潤状態にムラができないよう定期的に水を補う細かな管理が必要だった。同技術を用いれば、その手間を大幅に省くことができる。

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