国土交通省は4月12日、2016年4月の熊本地震で橋台の背面土が崩落した俵山大橋などを含む県道28号の約10kmの区間(俵山ルート)で、19年秋に復旧が完了すると発表した。大規模災害復興法を全国で初めて適用し、国交省が道路管理者の熊本県に代わって橋の架け替えや床版の打ち替えを進めている。

俵山ルートの復旧状況。俵山大橋と大切畑大橋が不通で、仮設橋や迂回路を使用。その他は復旧が完了している(資料:国土交通省)
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 13年に施行された大規模災害復興法は、政府が「非常災害」に指定した自然災害で損傷した自治体管理の道路や河川堤防を、国が直轄事業として復旧できると規定している。熊本地震は16年5月に非常災害に指定。俵山ルートは、橋やトンネルに大規模な損傷が多数生じたことから、熊本県が国に復旧の代行を求めた。

 早期の開通に欠かせなかったのが、覆工コンクリートが崩壊して通行止めとなった俵山トンネルの復旧だ。代替路が無く、迂回路を設けることも難しかった。昼夜施工でトンネルの支保を取り換えたりインバートを打ち替えたりして、16年12月に補修を完了。橋の復旧は終わっていなかったので、仮設の橋や迂回路を利用する形で俵山ルート全線の交通を開放した。

熊本側の坑口から100m付近の俵山トンネル。覆工コンクリートが崩落している。2016年4月23日に撮影(写真:日経コンストラクション)
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 それから全復旧までに3年近くを要することになったのは、設計で想定していない被害が発生した橋の復旧に手間取ったからだ。例えば、3径間連続鋼製鈑桁の俵山大橋では、橋台の背面土が崩壊して杭の一部が露出。橋台の位置を約20m背面に移動させて再構築し、橋桁を造り直すなど、大規模な工事が必要になった。現在はケーブルクレーン工法で橋桁の架け替えを終え、床版の打設を進めている。

俵山大橋の橋台背面で盛り土が崩落。路面に橋台のウイングが露出した(写真:日経コンストラクション)
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俵山大橋の復旧工事の様子。2018年4月撮影(写真:日経コンストラクション)
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