国土交通省の施策を批判したことで同省から圧力を受け、辞任に追い込まれたとして建設コンサルタント会社の元社長が国に損害賠償を請求した訴訟で、東京高裁は4月10日、一審判決を覆して元社長の逆転勝訴とする判決を出した。元社長を辞任に追い込んだ国交省の圧力があったと認定。法令の根拠がないばかりでなく憲法にも適合しないと結論付けた。

判決後の会見に臨む島崎武雄氏(写真右)と代理人の海渡雄一弁護士(写真:日経コンストラクション)
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 勝訴したのは地域開発研究所(RDC、東京都台東区)元社長の島崎武雄氏。2009年6月に社長を辞任して代表権を持たない会長に就任し、さらに10年9月に会長も辞任して退社した。東京高裁の判決は、この一連の人事がRDCに対する国交省の圧力のせいだとして、島崎氏が主張する国の賠償責任の一部を認め、約530万円の支払いを国に命じた。

 島崎氏は、国会で民主党(当時)の前原誠司衆院議員が09年2月、公共事業の発注で公益法人と随意契約を結ぶ必要性について国交省を追及した際に、同議員に協力した。さらに10年8月、歴史的な土木施設である東京湾の人工島「第二海堡(かいほう)」を改修工事で破壊しないよう同省関東地方整備局に保存要望書を出した団体に、事務局長として関わっていた。同氏は、こうした活動に反発した国交省が公共事業の受注者であるRDCに圧力をかけたことで辞任や退社に追い込まれたと主張し、15年10月に東京地裁に提訴した。

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