ラオスでダムの建設を担当していた大林組の男性管理職(当時49歳)がくも膜下出血で死亡したのは過労が原因だとして、三田労働基準監督署が労災認定した。遺族の代理人弁護士らが3月27日に記者会見して明らかにした。代理人弁護士は、国内の労働基準法が適用されない海外赴任者の長時間労働が見過ごされている現状に警鐘を鳴らす。

 死亡した男性が担当していたのは、ラオスの首都ビエンチャンから北東150kmにあるナムニアップ川で進めている「ナムニアップ1水力発電所建設プロジェクト」。水力発電所を備えた巨大な重力式コンクリートダムを造る事業で、ダム本体を中心とした土木・建築工事を大林組が単独で受注した。2014年に着工し、19年1月の完成を予定していた。

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ナムニアップ川に大林組が設けたダムの堤体高さは167m。総貯水量は約22億m3と、黒部ダム(約2億m3)の約11倍(写真:大林組)
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 男性は18年2月に工事長としてラオスの現場に赴任した。遺族の談話によると、男性は同年5月28日ごろ、現場に常駐していた看護師に頭痛を訴え、計測した血圧が異様に高いことを確認。同日、現地の宿舎で就寝中にくも膜下出血で死亡した。現場に医師は常駐せず、周辺に充実した医療機関はなかったことが分かっている。

 大林組が遺族に提供した出勤簿には、男性が赴任した18年2月から同年4月にかけて50日以上連続で勤務した記録がある。遺族の代理人の尾林芳匡弁護士は、「工期に間に合わせなければならないという強いプレッシャーとストレスにさらされながら、休日出勤を余儀なくされていた」と訴える。

 出勤簿に基づく遺族の計算によると、男性の時間外労働は18年2月に169時間30分、3月に239時間15分、4月に202時間30分、5月に187時間45分にまで達していた。三田労基署は、死亡直前1カ月の時間外労働時間が100時間を超えていたことから労災と認定し、遺族に対する補償の給付を決めた。

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