2019年2月末時点の高速5号線シールド機製作現場(写真:広島高速道路公社)
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 広島高速道路公社が大林組などのJVと結んだシールドトンネル工事の契約に主要資材の費用が欠落していた問題で、経緯や原因を調査した第三者委員会(委員長:二國則昭弁護士)は3月16日、公社に報告書を提出した。第三者委は、大林組JVが表向きの見積金額を契約金額の上限以下に抑えるために主要資材を除外したことを、公社は認識しながらも契約を急ぐために許容したと指摘した。

 問題となっているのは、広島市内に建設中の高速5号線シールドトンネル(延長1.4km)。公社が実施設計や施工などを大林組・大成建設・広成建設JVに発注した。設計を含む工期は2016年5月~20年7月で、契約金額は約200億円。ただし、この金額は鉄筋コンクリート(RC)セグメントなどの主要資材を含まないため、大林組JVから増額を求められている。

 公社は18年10月、工費を増額する方向で大林組JVと協議していることを公表。併せて翌月、JVとの間に契約内容に関する「認識の違い」が生じているとして、第三者委に調査を依頼した。

発端は契約金額の上限設定のミス

 公社は15年11月にシールドトンネル工事の入札を公告した際、契約金額の上限を200億円とした。この上限金額が低過ぎたことが、今回の問題の発端となった。

 第三者委の報告書によると、上限金額は、日本シビックコンサルタントが15年3月にまとめたトンネル設計業務の報告書で示された概算工事費を基に公社が決めた。しかし、この概算工事費は入札公告の2年も前の13年11月時点の積算価格に基づいていたため、その後のシールド機の値上がりなどによって不適切な金額になった。

 上限金額が低過ぎたためか、入札に参加を申請したのは大林組JVだけだった。この入札に採用した公社独自の「設計・施工提案交渉方式」では、参加申請者は入札前に技術提案書と工事費などの見積書を公社に提出する。大林組JVが16年2月22日、4月11日と2回にわたって提示した見積金額は、どちらも300億円を超えた。

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