和歌山県橋本市の紀ノ川に架かる恋野橋が洗掘の影響とみられる橋脚の傾きによって撤去されたことを受け、県は3月24日、約200m上流に代替路となる仮橋を開通させた。仮橋は、県が国土交通省から借りた3つの応急組み立て橋をつないで3径間の鋼製トラス橋とした異例の構造を持つ。撤去された恋野橋の隣で建設中の新橋が完成する2020年3月まで使用する予定だ。

中央径間の主桁をクレーンで吊り上げて架設する。主桁の組み立ては施工ヤード内で、1つの応急組み立て橋につき3日ほどかけて実施した
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 応急組み立て橋は、災害時に道路が寸断された際の迅速な通行確保のために国交省が保有している。部材は全て事前に製作済みで、平時は格納庫などに分解した状態で保管している。国交省によると、応急組み立て橋を使えば、わずか10日ほどでバスや大型トラックの通行にも耐えられる強度の橋を構築できる。組み合わせる部材の個数を変えることで、現場条件に合った長さに柔軟に調整できるのも特徴だ。

 今回完成した仮橋の長さは143m。幅5mの車道と、自転車も通れる幅2.5mの歩道を備える。使用した3つの応急組み立て橋のうち、長さが最大で50mの2橋を国交省中部地方整備局が、長さが最大で40mの残り1橋を同省近畿地方整備局が無償で貸与した。いずれも最大橋長になるように架設箇所付近のヤードで主桁を仮組みした後、クレーンで吊って河道内に設けた橋脚の上に固定。床版を設置して完成させた。

近畿地方整備局の格納庫から応急組み立て橋の部材を搬出する様子。全部で550の部材から成る(写真:国土交通省)
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