JR青梅線の羽村駅(写真左)と駅西口付近の現況(写真:日経コンストラクション)
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 東京都羽村市が進めている土地区画整理事業に対して住民が事業計画の取り消しを求めた行政訴訟で、東京地裁は2月22日、資金計画が非現実的であることなどを理由に取り消しを命じる判決を出した。市は3月6日付で控訴したが、財政事情が厳しいなかで公共事業を進める自治体にとって警鐘となる判決と言えそうだ。

 問題となっているのはJR羽村駅西口付近に広がる宅地など約42haを対象とする区画整理事業だ。事業区域内の地権者は約1200人。市は2003年度に事業計画を策定した後、変更を経て現行の計画を14年12月に決定した。

 現行計画では、370億円の事業費を投じて21年度末に完成させることになっており、既に一部の工事に着手している。事業費には国や都の補助金も含まれるが、約7割を市費で賄う。

 市は区画整理に伴う道路の拡幅や公園の整備などで安全で快適な街づくりができるとしている。他方で生活環境を破壊する無駄な事業であるとして反対する住民も少なくない。事業に反対する地権者など約120人が15年6月、市を相手取り14年12月の事業計画決定の取り消しを求めて東京地裁に提訴した。

 住民側は道路の拡幅や延伸は歴史的景観を破壊し住環境を悪化させると主張。さらに、道路整備は多摩都市モノレールが延伸された場合の用地確保が目的だったとして、延伸事業が頓挫している現状では道路整備の必要性が無くなったとした。しかし裁判所は、これらの点については住民側の主張を退け、市が主張するように区画整理を公共施設の整備改善と良好な居住環境の確保につながる事業と認定した。

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