国土交通省は都市機能や住居を集約する「コンパクトシティー」政策で、多くの自治体が居住の誘導先に自然災害リスクの高い区域を含めていることなどを受け、危険な住宅立地に対する規制強化について検討を始めた。災害リスクの高い区域の住民に対して、移転を促す施策も検討する。

■居住誘導区域に災害リスクの高い区域を含めている市町村の割合
国土交通省の資料を基に日経コンストラクションが作成
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 2月20日に開催した社会資本整備審議会の都市計画基本問題小委員会(委員長:中井検裕・東京工業大学教授)で、このテーマを取り上げた。今後、2019年度前半にかけて議論していく。

 国交省は、主に人口減少の進む地方都市で推進しているコンパクトシティー政策の柱として、市町村を対象とする立地適正化計画制度を14年度に創設した。小委員会の審議は、創設から5年が過ぎたこの制度の見直しから始める。

 18年7月の西日本豪雨をきっかけに、これまで宅地開発が水害や土砂災害などのリスクを必ずしも考慮せずに進められてきたことを問題視する声も上がったため、コンパクトシティー政策の防災への対応を強化することなどを議題に加えた。

 同省は立地適正化計画に基づいて住居を集約する「居住誘導区域」を指定している154市町村を対象に、同区域に災害リスクが高いとされる区域を含めているかどうかを調査した。その結果、水害リスクの高い「浸水想定区域」を含めている市町村は19年1月時点で90%以上と極めて高く、「土砂災害警戒区域」を含めている割合も30%を超えた。

 国交省は市町村に対し、居住誘導区域に災害リスクの高い区域を含めることを禁じる権限は持っていない。18年10月、指定した居住誘導区域に災害リスクの高い場所がある場合は指定を見直すことや、立地適正化計画に防災対策を記載することなどを市町村に通知したが、この通知も強制力は無い。小委員会では立地適正化計画の規制強化も含めて対策を検討する。

 都道府県などが所管する開発許可制度は、土砂災害のリスクが特に高い「土砂災害特別警戒区域」での開発許可を原則不可としているが、住民が自ら居住・営業するための開発は例外としている。国交省は、こうした例外措置の是非なども小委員会の議題とする。

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