国土交通省名古屋国道事務所が2012年度に実施した国道の維持修繕工事で、沿道の住民に要求された家屋修繕などの費用に充てるため、工事費を千数百万円水増ししていたことが判明した。国交省中部地方整備局が1月23日に不正の事実を公表した。

不正が判明した国土交通省名古屋国道事務所(写真:国土交通省名古屋国道事務所)
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 17年12月に住民が「過去に家屋を修繕してもらったことがある」などと名古屋国道事務所に話したことをきっかけに問題が発覚。その後、当時の関係職員を中心に調査を進め、18年秋に維持修繕と家屋修繕の両方を施工した建設会社への聴取で不正の事実が明らかになった。

 中部地整は既に、国交省本省と会計検査院に事件を報告している。ただ、関係職員が警察など捜査当局の取り調べを受けているかどうかは言及を避けている。

 中部地整は問題を把握してから1年ほど調査を続けているにもかかわらず、事件の詳細を明らかにしていない。7年近く前の事件であることに加え、事情を最もよく知るとみられる当時の維持出張所の所長が16年に亡くなっていることなどから、調査が難航しているという。そのため、真相究明に重要な動機すら解明できていない。

 加えて中部地整は「現在も調査中」などとして、事件にかかわったとみられる維持出張所や関係職員、建設会社、住民などの情報を一切伏せている。調査を終える時期や最終報告の公表時期も未定で、その見通しすら立っていないという。

 それでも、中部地整が公表している断片的な事実をつなぎ合わせると、事件はおおむね次のような経緯をたどったとみられる。

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