富士フイルムは、写真フィルムや化粧品の製造で培った粒子の超微細化技術(ナノ技術)を応用し、コンクリートに浸透しやすい補修材の開発を進めている。数年以内に、補修材を構成する粒子の大きさを従来の10分の1以下にした製品の商品化を目指す。

コンクリートの微細な空隙に、ナノサイズの補修材(青色)が入り込むイメージ。従来の補修材(オレンジ色)では粒径が大きく、浸透していかない場合がある(資料:富士フイルム)
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 ターゲットとする補修材の1つが、コンクリートの表面に塗ることで耐久性を高める表面含浸材だ。液体状の含浸材は、表層からコンクリートのわずかな空隙を伝って内部に浸透し、コンクリートの劣化因子の侵入を防いで塩害やアルカリシリカ反応の進行を抑制する効果がある。このとき、含浸材の粒子が大きいと、奥まで染み込みにくい。

 一般的なコンクリート内部の空隙の大きさは約100ナノメートル(ナノメートルは10億分の1メートル)。これに対し、既存の含浸材の粒子は平均100ナノメートルほどで、大きさにばらつきがある。このため、含浸材が浸透しない部分が残り、想定した効果が得られない懸念があった。

 富士フイルムはナノ技術を使って、粒子が10ナノメートル以下で均一な表面含浸材を開発中だ。予防保全に使うことも想定し、内部の空隙が約10ナノメートルと小さい新設コンクリートにも浸透する性能を目指す。現在は性能の検証や、量産化に向けた検討を進めている。

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