中日本高速道路会社は、橋梁耐震補強の設計業務で、複数の橋に関する基本契約を一括で締結した後、関係者協議を終えて準備が整った橋から順に個別契約を結んでいく「基本契約方式」を導入する。全ての橋の準備が済んでから発注する従来方式と比べて履行期間が平準化されるので、入札不調を抑制できると見込む。

 中日本高速は2016年秋から大規模更新工事の一部で同様の方式を導入しているが、設計業務への展開は今回が初めて。19年3月までに設計業務9件を新方式で公告する予定だ。

一括で複数の橋の設計業務を発注する場合における従来の契約方式と基本契約方式を比較した。基本契約方式は、3回の個別契約を結ぶケースを例に示している(資料:中日本高速道路会社)
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 基本契約方式の流れは以下の通り。中日本高速は最初に、1つの橋の設計業務について一般競争入札で受注者を選ぶ。この入札の際、受注者はその後に発注される類似の設計業務も継続して担当することを条件に示しておく。

 契約の際はまず、発注予定の複数の設計業務について、設計範囲や支払い条件などの基本的な条件を取り決めた「基本契約」を結ぶ。それを踏まえ、1件目の設計業務について契約金額や履行期間などの具体的な条件を定めて個別契約を締結する。

 その後、1件目の設計を進めながら、2件目以降の契約手続きの準備が整い次第、順に個別契約を結んでいく。2件目以降の業務は随意契約で発注するので、入札不調などの問題は生じない。

 中日本高速は17年度から、今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる可能性が高い地域にある639橋を対象に、支承部の補強や交換などの対策を進めている。ところが、これまでに公告した設計業務で、入札不調が相次いだ。

 原因の1つは、受注者側の人手不足にあるもようだ。従来の契約方式では、受注者は一括で発注された複数の設計業務を並行して進める必要がある。受注すれば短期間に業務が集中するため、建設コンサルタント会社などが入札への参加を見合わせる要因となっていた。

2016年4月の熊本地震でピン支承から桁が脱落した高速道路橋。この地震で支承部の損傷が多発したことを受け、中日本高速道路会社は17年度から既設橋梁の耐震補強を進めている(写真:西日本高速道路会社)
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