戸田建設は12月14日付で、福島県の地場大手建設会社、佐藤工業(福島市)の株式を取得し、子会社化する。

 東日本大震災や福島第1原子力発電所事故を受け、再生可能エネルギーの活用を推進している福島県内で、地元に太いパイプを持つ佐藤工業の地脈や人脈を生かし、強みとする風力発電事業などを推進する考えだ。併せて、これまで福島県内で手掛けてきたオフィスや病院などの建築物をきめ細かくメンテナンスできるようにする。

東京都中央区にある戸田建設の本社(写真:日経コンストラクション)
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 大手や準大手などの中央の建設会社が地方の有力企業を子会社化する例は、これまでさほど顕在化していなかった。しかし水面下では、将来の国内建設市場の縮小に備え、地方の有力企業を買収して事業基盤を強化する動きが進んでいる。

 例えば、飛島建設は2017年7月、新たな営業エリアの開拓を目指し、千葉県や東京都小笠原村で建築や土木の施工を手掛ける杉田建設興業(千葉市)を子会社化した。

 中央の建設会社の中には、足元の技術者不足に対応するため、地方の有力企業に食指を動かしている会社もある。地方の有力企業を買収すれば、その地盤や顧客だけでなく、有能な技術者も手っ取り早く獲得できるからだ。

 一方、地方の建設会社では、経営者の高齢化と後継者不足が進行し、事業承継が大きな問題となっている。国内の建設投資が堅調で自社の経営状態が良好なうちに、会社を売却したいと考える経営者も増えている。

 帝国データバンクが日本企業の後継者問題について18年11月に公表した調査結果によると、建設業の後継者不在率は71.4%で、17年の前回調査から0.2ポイント上昇した。業種別では、前回と同様にサービス業(71.6%)に次ぐ高さ。ただし、サービス業では不在率が前回より0.2ポイント低下したため、建設業の伸びが目立っている。

業種別の後継者不在率。建設業の不在率は71.4%で、サービス業に次いで高い(資料:帝国データバンク)
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 こうした流れを受け、建設会社のM&A(合併・買収)を仲介する動きも活発化している。今回の戸田建設による買収劇も、発端は17年7月にM&A仲介大手のM&Aキャピタルパートナーズから佐藤工業に送られてきたダイレクトメールだった。

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