広島高速道路公社が大林組などのJVに発注したシールドトンネル工事で、「セグメント一式」の費用に資材の大半を占める鉄筋コンクリート(RC)セグメントを除外するなど、異例の契約を結んでいたことが分かった。JVが契約金額を上限の200億円に収めようとした“裏技”とみられる。公社が10月26日、除外されていた費用を含めるため、契約金額を増額する方向でJVと協議していることを発表した。

■高速5号線シールドトンネルの概要
(資料:広島高速道路公社)
[画像のクリックで拡大表示]

 公社は異例の契約を締結した経緯を、11月上旬時点でも「調査中」として明らかにしていない。契約の透明性に疑問の声が上がりそうだ。

■広島高速5号線の概要
(資料:広島高速道路公社)
[画像のクリックで拡大表示]

 契約の対象は広島市内に整備する高速5号線のシールドトンネル(延長1.4km)の施工や実施設計など。大林組・大成建設・広成建設JVが2016年5月~20年7月の工期で担当している。

 公社は15年11月に発表した入札公告に、契約金額の上限は200億円と明記していた。入札には「設計・施工提案交渉方式」と呼ぶ特殊な方式を採用。この方式では、参加申請者がまずトンネルの設計・施工に関する技術提案と、それに基づく見積書を公社に提出する。公社は参加申請者と交渉したうえで、提出された見積書を基に予定価格を算定し、入札を実施する。

 落札者は公社と最初に全体的な協定を結んだうえで、2段階で契約を締結する。まず、実施設計やシールドマシン製作などの契約、次に実施設計を踏まえてトンネル本体工事などの契約を結ぶ。1者入札で落札した大林組JVは、16年5月に協定と実施設計などの契約を、17年3月に本体工事などの契約を締結した。金額の合計は、上限の200億円にぎりぎりで収めていた。

 しかし公社によると、大林組JVは本体工事などの契約を結ぶ直前、契約金額の増額を求め始めた。いったんは増額しないまま本体工事の契約を結んだものの、その後も増額要求は続いた。

 18年4月以降は、工事の完成に必要だが契約に含まれていない費用があることを、増額が必要な根拠として提示するようになった。当初は難色を示した公社も、これを受けてある程度の増額はやむを得ないとの姿勢に傾いている。

この先は有料会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)が2020年1月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら