パソコン上で数字を白くして見えなくすれば、データも消える――。こんな初歩的な思い違いから、公共事業の入札手続きで積算価格が漏洩する事故が、長野県内で相次いで発覚した。

 自治体が入札公告時に積算の参考資料としてホームページに掲載した金抜き設計書のPDFファイルから読み取れる状態になっていた。PDFの文字をコピーしてワードなどの文書作成ソフトに貼り付けると、PDFでは見えなかった金額が表示される。

長野県が発注した保守点検業務の入札で、ホームページに掲載した金抜き設計書のPDFファイルから積算価格が読み取れた(資料:長野県)
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 自治体の担当者は、エクセルなどの表計算ソフトで作成した積算価格記載の設計書(金入り設計書)をPDF形式のファイルに変換する際、価格のデータを削除せず、文字の色を背景と同じ白に変え、画面上で見えないようにしただけだった。担当者は、白文字のデータがPDFファイルに残ることを知らなかった。

PDFファイルでは価格は見えないが、文字をコピーする際にデータが残っていることが分かる(資料:長野県)
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PDFファイルの文字をコピーしてワードなどの文書作成ソフトで貼り付け、文字を黒色などにすると、PDFでは見えなかった価格が表示される(資料:長野県)
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