リニア中央新幹線の南アルプストンネルの建設に伴い、静岡県内の大井川の流量減少が見込まれる問題で、JR東海は10月17日、トンネル内の湧水を全てポンプなどで川に戻す方針を示した。これまで同社は、大井川の流量減少分だけ湧水を戻すとしていたが、これ以上の着工の遅れを避けるため、湧水全量を戻すよう求める地元に譲歩した。

南アルプストンネルと大井川
トンネルの建設によって減少する流量を導水路によって補う従来の考え方(資料:静岡県)
[画像のクリックで拡大表示]

 水道事業者などの利水者でつくる団体や沿川自治体と共に静岡県が設立した「大井川利水関係協議会」に、全量を戻すとした基本協定案を示した。

 協定案には「原則として静岡県内に湧出するトンネル湧水の全量を大井川に流す」と明示。静岡県の川勝平太知事は、文章中の「原則として」の文言は不要などとしたが、初めて全量を戻すとした方針に一定の評価を下した。

 一方、JR東海は洪水時など湧水を全量戻すとかえって問題になる場合を想定して、「原則として」という文言を入れたとしている。

この先は有料会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら