建設業の若手労働者の育成を対象とした助成金を、厚生労働省が給与の支払い実態に基づかず過大に支給していたことが会計検査院の調査で明らかになった。助成金の単価を設定する際、中小企業を対象とするにもかかわらず大企業を含めた平均給与額を用い、年齢も加味していなかった。検査院が10月10日、厚労省に改善を求めた。

建設労働者確保育成助成金の概要
2017年度のパンフレットから。赤枠は日経コンストラクションが加筆。枠内が不適切な支出のあった認定訓練コースの賃金助成。<6000円>とあるのは、生産性向上に関する要件を満たした場合の支給額(資料:厚生労働省)
[画像のクリックで拡大表示]

 不適切な支出があったのは、2013年度に創設された「建設労働者確保育成助成金」のうちの「認定訓練コース(賃金助成)」。中小建設会社が雇用する労働者に、特定の職業訓練などを受講させる際に支給する。受講の間、労働者に所定内賃金を支払うことが条件だ。

 助成金の単価は、厚労省が賃金構造基本統計調査(賃金センサス)でまとめた建設業の所定内給与額を基に算定する。支給の上限は、キャリア形成促進助成金など厚労省の他の助成金を含めて、支払った所定内賃金の6分の5としている。

 厚労省は、大企業を含めた全企業の平均所定内給与額を用いて単価を設定していた。労働者の年齢も、賃金センサスの全企業平均では35歳以上が70%以上を占めているのに対し、訓練の受講者は80%以上が35歳未満と大きく乖離している。なお、賃金センサスは企業の規模別、労働者の年齢別の賃金も公表しているので、実態に即した平均賃金の抽出も可能だ。

この先は有料会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)は12月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら