新日鉄住金ステンレスの高強度かつ高耐食の新しいステンレス鋼が、国内で初めて橋梁の主部材に適用された。一般ステンレス鋼SUS316と同程度の耐食性を有しながら、一般構造用鋼SS400の約2倍の強度を持つ省合金二相ステンレス鋼厚板SUS323Lだ。支間長約18mのSS400の鋼床版鈑桁橋を、SUS323Lを使った同構造の橋に架け替えた。

東京都の清澄排水機場に隣接する鋼床版鈑桁橋を、一般構造用鋼のSS400から省合金二相ステンレス鋼SUS323Lに架け替えた。高欄はアルミ製(写真:新日鉄住金ステンレス)
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 鉄に10.5%以上のクロムを加えたステンレス鋼は、ニッケルを含まない「フェライト系」(SUS430など)とニッケルを含む「オーステナイト系」(SUS304やSUS316などの一般ステンレス鋼)に大別できる。

 前者はじん性が低く溶接が難しいために、用途は薄板に限られる。ただしコストは安い。一方、後者は溶接しやすいことから建材やプラントなどでの実績は多いが、コストは高い。新材料の「二相」というのは、これらの両系統の特徴を併せ持つ。

 さらに、オーステナイト系と比べてニッケルの含有量を減らし、クロムを増やしながらも、全体の合金(ニッケルとクロム)の比率を減らした。つまり「省合金」にすることで、材料コストを抑えた。クロムの比率を増やしたことで強度は向上。ニッケルを少し含むため、オーステナイト系の長所である溶接のしやすさも残している。

工場で製作中の様子(写真:新日鉄住金ステンレス)
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