首都高速道路会社など5社は、鋼橋の局所的な腐食を吊り足場を使わずに塗り替える「スポットリフレ工法」を共同で開発した。腐食の除去に必要な防護設備に段ボールを使うなどして、工期やコストを従来工法よりも8割減らす。開発に参画したのは首都高のほかSplice-lab(福岡市)、極東メタリコン工業(兵庫県宝塚市)、特殊高所技術(京都市)、土木研究センターだ。

鋼橋の下フランジに開発した防護設備を取り付ける様子。6月13日に、首都高速道路会社の羽田補修基地でデモンストレーションを実施した(写真:日経コンストラクション)
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 同工法のターゲットは、50cm四方に満たない部分的な鋼橋の腐食だ。架設時の当て傷や、橋桁を地上に仮置きする際に敷く盤木の跡など、もともと塗装の品質が悪い箇所を基点に発生しやすい。面積が小さくても、放置すれば孔食といった大きな損傷につながる可能性がある。補修するには表面を素地調整してさびや劣化した塗膜を落とし、塗装し直すしかない。

 再塗装の耐久期間は素地調整の品質に左右される。さびの除去が不十分なまま塗り替えると数カ月で剥がれる場合がある。ガーネット(鉱物の一種)などの研削材を腐食面に打ち付ける「ブラスト」という方法を使えばさびを高い精度で取り除けるものの、研削材や粉じんの飛散を防ぐ大掛かりな防護設備が必要だ。補修する範囲がわずかであっても吊り足場を設置する必要があり、最低でも5日間程度かかっていた。

開発した防護設備の箱。スポンジが付いた開口部を腐食した面に密着させる。手前のファンを開閉することで、バキューム時の箱内の圧力を調整する。デモンストレーションの場で「リフレくん」と名付けられた(写真:日経コンストラクション)
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 スポットリフレ工法は、ブラストの防護設備に一辺50cmの立方体の箱を使う。まず、橋からぶら下がった作業者が箱の1面に設けた開口部を腐食部分に密着させ、ベルトスリングとテープで固定。次に、研削材を吐き出すホースとバキュームホースをそれぞれ箱に差し込む。バキュームホースが研削材と一緒に空気を吸い込むことで箱内の圧力を下げ、効率良く飛散を防ぐ仕組みだ。作業に吊り足場は不要で、ブラスト後の再塗装を含めても1カ所当たり1時間程度で補修できる。

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