ゲーム市場における覇権争いが激しさを増している。2019年春から6月にかけて、米アップル(Apple)や米グーグル(グーグル)、米マイクロソフト(Microsoft)、米ネットフリックス(Netflix)といった米国の大手IT企業が、ゲーム配信プラットフォーム(基盤)の提供開始や強化に動き出した。これらの企業に共通するのは、既存のゲーム機だけでなく、パソコンやスマートフォンといったあらゆる機器でゲームをプレイ可能にし、その規模を拡大しようという戦略である。

 ゲーム関連の市場調査会社、オランダNewzooが2018年6月に発表した調査結果によれば、同年のゲーム市場は1379億米ドル(1米ドル109円換算で約15兆円)に、2021年に1801億米ドルと20兆円近くに達すると予測。この成長市場に、米IT大手が積極的に参戦し始めたかたちである。

 最初に仕掛けたのはグーグルだ。同社、2019年3月19日(現地時間)、世界中のゲーム開発者が集う世界最大級の開発者会議「GDC 2019」で、クラウド型のゲーム配信基盤(クラウドゲーム)「Stadia(スタディア)」を発表した(関連記事)。クラウドゲームでは、データセンターのサーバーでゲームの演算処理を行い、その結果を映像としてクライアント機器に伝送する。ゲーム機のような専用ハードウエアを用意しなくても、データセンター側(サーバー)に処理性能が高いCPUやGPU、高速な通信インフラが整っていれば、テレビやタブレット端末、スマートフォンなどの汎用機でも、ゲーム専用機並みのゲームをプレイできるのが特徴である。

 グーグルはサーバーや通信インフラといったクラウドで必要な設備だけでなく、音声アシスタント「Googleアシスタント」用のボタンやYouTubeでゲーム動画を共有するためのボタンなどを備えた専用のコントローラーまで開発するほどの力の入れようだ。

Stadiaの専用コントローラー。GDC会場付近で展示していたもの
(撮影:日経 xTECH)
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 スタディア発表の6日後の25日には、米アップルが新しいゲーム配信サービス「Apple Arcade」を2019年秋に始めると明らかにした(関連記事)。

 グーグルとアップルはいずれも、スマートフォン向けアプリ配信基盤を通じて、ゲームを提供し、従来の携帯型ゲーム機の市場を奪っていった。これらはアプリごと、あるいはアプリ内での課金形態が中心だった。

 これに対してスタディアやApple Arcadeは主に、マイクロソフトや任天堂、米Sony Interactive Entertainment(SIE)が手掛ける家庭用据置型ゲーム機の市場を狙ったもの。支払い形態も月額課金のサブスクリプション型である。

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