米アップル(Apple)が米ゴールドマン・サックスと提携し、アップルブランドのクレジットカードを発行することを検討している。米大手メディアが2018年5月10日(米国時間)に相次ぎ報じた。アップルの狙いはどこにあるのか。

 最初に報道したのはWall Street Journal(WSJ)だが、その後BloombergやNew York Timesも匿名の関係者の証言として、アップルとゴールドマン・サックスの提携交渉を報じている。両社とも正式なコメントは出していない。

写真●シリコンバレーのアップルストア
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 提携に力が入っているのはゴールドマン・サックスだろう。同社にとって、クレジットカード事業への新規参入となるためだ。

 投資銀行業務やトレーディングなど、富裕層や大企業を主な顧客とする事業を営んできたゴールドマン・サックスだが近年、消費者向けの金融サービスにも参入し始めている。2016年にはオンラインだけで融資審査が完了する「オンライン融資サービス」を手がけるマーカス事業を開始。消費者向け融資でもあるクレジットカード事業への参入に弾みをつけるために、強力な顧客基盤を持つアップルとの提携を選んだもようだ。

Apple Payの売り上げ拡大が狙いか?

 アップルにもメリットがある。一つは決済サービス「Apple Pay」に関する手数料収入の拡大だ。アップルは現在、ユーザーがApple Payを使って決済をした場合、決済額の0.15%をクレジットカード会社から手数料として受け取っている。ユーザーには手数料を課していない。

 WSJは、アップルはゴールドマン・サックスと提携する見返りに、提携カードでApple Payの決済がされた場合は、他のクレジットカード会社よりも2倍以上高い手数料をゴールドマン・サックスから徴収できるようになると報じている。

 もう一つはApple Payそのものの認知拡大だ。WSJは提携クレジットカードのブランドが「Apple Pay」になると報じている。米ループベンチャーズ(Loup Ventures)が2017年3月に発表した調査によれば、iPhoneの13%でしかApple Payが有効になっていないのだという。Apple Payの認知度を高めることはアップルにとって大きな課題だ。

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