東京五輪まで残り1年のカウントダウンが始まる2019年。建築・住宅、土木を問わず、建設関係の実務者が押さえておきたいプロジェクトと制度、市場の動向を中心に整理しておこう。

 まずは、新しくお目見えする建物やインフラから。19年に完成予定の建物で最も注目されているのは、東京五輪のメインスタジアムとなる新国立競技場で間違いない。

 当初計画で事業予算に大幅な超過が生じ、計画の見直しに陥ったビッグプロジェクトは、11月末に完成予定だ。こけら落としは、20年の元日に実施されるサッカー天皇杯の決勝戦と決まっており、遅延は許されない。

施工中の新国立競技場。2018年10月に撮影(写真:日本スポーツ振興センター)
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 五輪施設では他にも、海の森水上競技場が19年5月、有明体操競技場が同年10月、バレーボール会場となる有明アリーナが同年12月に、それぞれ完成予定だ。

 25年の万博開催が決定した大阪では、難波の新歌舞伎座跡地に建設中のホテルロイヤルクラシック大阪が19年12月、心斎橋で建て替え中の大丸の本館が同年秋に、それぞれ開業予定だ。いずれも歴史的な建物の建て替えで、大阪のメインストリートである御堂筋側のファサードデザインを受け継ぐ計画となっている。

大丸心斎橋店本館の完成イメージ(資料:大丸松坂屋百貨店)
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 外国人観光客の増大や高齢化社会の進展によって重要性を増す公共交通の整備も進む。観光客に人気の大阪では、JR西日本おおさか東線の新大阪―放出(はなてん)間が3月に開業して全線開通となる。新大阪から奈良方面へのアクセスが改善される見通しだ。やはり観光客が多く訪れる那覇市では、沖縄都市モノレールの延伸部が夏ごろに開業する予定になっている。

 建築行政では特筆すべき話題が幾つかある。1つは、6月までに施行される改正建築基準法の影響だ。空き家を福祉施設などに改修しやすくしたり、都市部における木造建築の整備を後押ししたりする規制緩和が始まる。

 後者については、耐火構造などにしなくて済む木造建築物の条件を、高さ13m以下かつ軒高9m以下から、高さ16m以下かつ3階以下に緩める。木造の市場が広がれば、国内に豊富に存在する森林資源の活用や林業活性化、環境保全といった効用も期待できる。

建築基準法の改正内容に関する説明資料(資料:国土交通省)
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