日経FinTech編集長の原 隆

 日経FinTech編集部は2018年11月13日、現在は社名をNIPPON Platformに変更した旧NIPPON PAYの代表取締役社長を務める高木純氏が債権差押命令を受けている事実を報じた。

 日経FinTech編集部が高木氏、およびNIPPON Platformグループに注目した発端は、提携していないはずの決済企業のサービスがNIPPON Tabletの営業用資料に掲載されていることだった。

 問い合わせをしていくと、提携した事実が存在しない。ある企業は確かに2018年5月、提携の打診があったが、社内で協議した結果、断った。しかし、その後、NIPPON Tabletは思いもよらない手段に打って出た。勝手に同社のウェブサイトへ掲載し始めたのだ。

 当然、その決済企業はクレームを入れた。だが、いったん掲載を取りやめてはまた復活させるという、企業としてモラルのかけらも感じさせない対応だったという。

 「被告は原告に対し、7011万5068円及び7000万円に対する平成26年8月22日から支払い済みまで年6分の割合による金員を支払え」。先の記事で言及した水戸地裁での裁判において、計3回開かれた口頭弁論に、高木氏は代理人も立てず本人も一度も姿を見せなかった。

 原告側の弁護団は送達(訴訟上の書類を当事者に送り届けること)に困ったと日経FinTech編集部に明かした。高木氏の住所がコロコロと変わるからだ。住民票上の住所は京都にある。だが、債権差押命令の債務名義上の住所の項目に「住所・居所不明」とあるのはそういう理由からだと考えられる。

 信用が信用を生む。これは金融の世界でもよく起こることだ。だが、モラル無き企業がそれを狙ってやれば、実態にそぐわない信用を生む。そして、多くの人がその“陽炎”を追うのだ。

 高木氏は2018年8月28日、「Amazon Pay」の実店舗対応開始に関するアマゾンジャパンの記者会見に、加盟店開拓を担うパートナーである旧NIPPON PAYの代表として登壇した。会見の席上で高木氏は、子会社のNIPPON Tabletを通じ、決済用タブレットの設置店舗を2018年度中に約5万7000店とそれまでの4倍近くに増やす計画を発表。「既に見込み数は約6万7000台ある。非常に簡単な目標数だ」と自信を見せている。

 配布している数は正確かもしれないし、そうではないかもしれない。だが、問題はそこではない。

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