日経FinTech編集長の原 隆

 ソフトバンクとヤフーが2018年10月をめどにサービス開始を目指すスマホ決済の「PayPay」。QRコードを用いた決済サービスは「LINE Pay」や「楽天ペイ」などが先行し、PayPayは後発。にもかかわらず、PayPayの一挙一動にFinTech業界が注目している。

 その最たる理由はソフトバンク陣営が総力戦を仕掛けているためだ。インドで3億人の利用者を誇る最大手決済サービス「Paytm」と組んだヤフー。2018年6月に「Yahoo!ウォレット」のスマホ決済サービスを始めたばかりだったが、方針を大転換した。開始したサービスは今秋をめどに終了させ、PayPayに注力する姿勢を鮮明にした。

 PayPayの加盟店開拓は総力戦と呼ぶにふさわしい様相を呈し始めている。3000人の営業担当者の採用を進めるソフトバンク陣営は、勝つまで資金の投下を続けるつもりのようだ。店舗側が負担する決済手数料を3年間無料にする施策に加え、先着30万店舗に対してPayPayでの決済金額の1%を還元するキャンペーンまで始めた。

PayPayが展開するキャンペーン
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 キャンペーンの受付期間は9月28日まで。サービス開始から2019年1月31日までを特典の適用期間として定め、決済金額の1%を2019年3月末に支払う。既にキャンペーン上限である30万店舗に達したという声も漏れ伝わってくる。

 加盟店にとって負担の大きい決済手数料をゼロにするばかりか、「決済御礼手数料」まで支払える企業はそうそうない。ADSLサービス「Yahoo! BB」のモデムを街頭で無料で配るという奇想天外な手段で一気にシェアを拡大した往年のソフトバンクの記憶がよみがえる。社内で加盟店開拓が「焦土作戦」と呼ばれるのもうなずける。

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