日経コンピュータ編集長の大和田 尚孝

 総務省の家計調査によると、2人以上の世帯当たりの通信費は月平均1万3270円(2017年)と、20年前より55%増えている。「月々のスマホ代を安くしたい」と悩む人は少なくないだろう。そこで負担を減らす方法を探ってみたい。格安スマホに切り替える手もあるが、ここではNTTドコモなど携帯大手3社との契約を前提に考える。

 まずやってはいけないことがある。それは契約先の携帯ショップを訪れて「安くしたい」と相談することだ。安くしたいという客の思いとは反対に、携帯大手はもっとお金を取りたいと思っている。

 「1ギガバイト当たりでみれば割安です」という売り文句でより高額な大容量データ通信プランを紹介されたり、「1台当たりの料金が下がります」とタブレットの契約を勧められたりする可能性がある。「いりません」と言えばいいだろうと考えるのは危険だ。言葉巧みに勧誘され、動画などの有料サービスを契約させられる恐れもある。

ソフトバンクの「おてがるプラン」はキャリアが「手軽に稼げるプラン」

 大手3社の巧妙さを示す例として、ソフトバンクが6月29日に提供を始める新料金プラン「おてがるプラン」を見てみる。あくまで一例であり、KDDI(au)やドコモにも共通する部分がある。ここはざっくり「携帯大手3社のサービスは横並び」と覚えておきたい。

 ソフトバンクの「おてがるプラン」のWebサイトを開くと「月額1980円~」「通話もデータもコミコミ」の文字がデカデカと躍る。「スマホが2000円以下で使えるのか」と思ったら甘い。

 よく見ると「1980円」の数字表記の8分の1ぐらいの大きさで、少し離れた位置に「税抜」と書いてある。税込みだと2138円だ。今やレストランも食品スーパーも税込み表示のところが多いが、「携帯大手3社は税別表示」だ。これも忘れないでおきたい。

「1980円」の数字表記の8分の1ぐらいの大きさで、少し離れた位置に「税抜」と書いてある
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 さらに目を凝らすと、固定通信サービスの契約も必要だと書いてある。固定通信をセットで契約しないと500円高くなる。続けて読み進めると、最安額がずっと適用されるのは初めてスマホを持つ人だけと分かる。固定通信のサービスを契約せず、既にスマホを持つ人は2年目から税別1500円高くなる。税込み3758円だ。

 「分かりにくい」と思うのはまだ早い。「毎月のお支払いは使った分だけ」との表記にも注意が必要だ。これは言い換えると「データ通信量が増えるほど高くなる」という意味だ。通信量が増えると料金は最大で税込み5918円だ。2000円を切るはずが、実に3倍近くに増えた。

 「おてがるプラン」は利用者にとって手軽かは微妙だが、キャリアにとってみれば「手軽に稼げるプラン」であることは間違いなさそうだ。

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