日経コンピュータ編集長の大和田尚孝

 2019年は改元や消費増税などの法制度変更が控え、システム障害のリスクも高まりそうだ。そこで年間を通じてどんなトラブルが起こり得るのかを大胆に予測してみたい。リスクを改めて指摘することによってトラブルを未然に防ぐのが目的だ。ITサービスを利用する消費者の立場で代替手段を用意するなどの自衛策にもつなげられる。

 2019年の「トラブルカレンダー」における最初のリスクは5月1日の改元関連だ。平成の時代が4月で終わり、5月から新元号に変わる。新元号の発表は4月1日。ここから1カ月間で新元号が帳票などに正しく表示されるかの最終確認をこなす必要がある。

 テストが間に合わないと、5月に入っても元号が変わらず「平成31年5月1日」などと誤表示するトラブルが起こる恐れがある。

 ただ改元については、トラブルが起こったとしてもそれほど重大な事態には進展しないだろう。和暦を計算処理に使っているケースは少ないとみられるからだ。むしろ改元関連で注意が必要なのは「10連休」への対応だ。

5月は「バッチ突き抜け」に注意

 今年は改元に伴い4月27日から5月6日まで異例の10連休となる。銀行の口座振替や証券会社の注文受付などのデータが10日分蓄積し、連休明けに一気に処理をこなす必要が生じる。大量のデータがたまると、夜間バッチが翌朝までに終わらない可能性がある。バッチの「突き抜け」と呼ばれる事態だ。連休明けのオンラインシステムが起動できず、ATMや株式売買のオンライン処理ができなくなるトラブルに注意が必要だ。

 突き抜けを避けるために、連休中にシステムを平日運転する金融機関も出てくるだろう。その場合でも「バッチ処理は平日のスケジュールに基づき動かすがATMの手数料などは休日扱いにする」といった設定変更が必要になる。設定ミスなどのヒューマンエラーにも注意したい。

 ATMの現金補充を休日に臨時でこなす対応が求められる可能性もある。現金が切れると、海外のATMのように「現金切れのため使えません」となってしまう。勘定系システムが正常に稼働していてもATMが使えなければ利用者から見ればシステム障害が発生したのと同じだ。

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