筆者は、働き方改革に積極的な企業や、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)といった働き方改革に役立つ技術の動向を継続的に取材している。2019年に入り、筆者は今後、企業が取り入れるべき技術をあえて1つだけ選んでみた。人工知能(AI)を組み込んだOCR(光学的文字認識)である「AI OCR」だ。

 企業によっては、取引先などから送られてくるファクスや郵便といった紙の請求書や注文書が、依然として大量に残っているのが実情である。書類の種類や件数が多ければ多いほど、その内容を業務システムに入力する仕事の負担が増すのは言うまでもない。

 AI OCRはRPAと組み合わせて使うことで、効率化の可能性が大きく広がる。請求書などにある文字の読み取りから、システムへの入力といった一連の業務を自動化できるためだ。OCRにAIを組み込んだことで、書類の位置を設定するだけで的確に文字を読み取れるようになったり、手書き文字を正しく認識できるようになったりと、進化を遂げている。

 従来のOCRは、読み取り位置や読み取る文字の種類を細かく設定する必要はなかった。ただし、仮名文字や漢字、数字など、どんな手書き文字でも100%の精度で読み取れるわけではない。そんななか、2018年に働き方改革を推進する企業を取材してみると、AI OCRの登場に期待する担当者が少なくなかった。

AI OCRに期待高まるも、企業の反応はいまひとつ

 ところがAI OCRを試してみた企業に聞いてみると、その多くは相変わらず、「読み取り精度がまだ、いまひとつだね」という反応が返ってきた。「導入すべきか悩んでいる」と話す人が大勢いたのも事実である。「どんな手書き文字でも100%の精度で認識できなければ、業務には使えない」という考えが、システム担当者にはあるように感じられた。

 だからといって、AI OCRを全く使わないのはもったいないと筆者は考えている。AI OCRを先行導入している企業の中には「認識精度が100%ではなくても使っていく」という姿勢で、活用する場面をうまく見つけているところもあるからだ。

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