「若い人材が台頭するなか、40代半ばの自分がどこまで対抗できるか。今後のキャリアに悩みが無いといえば嘘になる」――。とある中年サラリーマンの悲哀ではない。世界中のデータサイエンティストが集うコンペティションで100人強、日本には5人しかいないという最高位の称号を持つデータサイエンティスト界の雄の話だ。

SansanでData Strategy & Operation Center(DSOC)部門の研究員を務める高際睦起氏
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 発言の主は名刺管理サービスのSansanで、Data Strategy & Operation Center(DSOC)部門の研究員を務める高際睦起氏。21世紀で最もセクシーな職業と呼ばれるデータサイエンティストとして、成長著しい企業で活躍する同氏が思わず発した意外な一言が印象に残った。

 高際氏はデータサイエンティストが「データ予測コンペティション」を通じ、自らの才能を磨くサービス「Kaggle」において上位入賞者である「Grandmaster」の称号を持つ。データ予測コンペは世界中のデータサイエンティストに対し、データ分析に関する課題を出してその成果を競わせる。Kaggleは米Googleが2017年3月に買収し、同6月に登録するデータサイエンティストが100万人を超えた。

賞金総額3億円の課題も

 企業や政府はKaggleにコンペ形式で課題を提示し、最も高い精度を出した分析モデルを買い取る。例えば2018年12月14日時点のコンペ一覧を見ると、米プロフットボールNFLが賞金総額8万ドル(約900万円)の課題を出していた。内容は試合データを分析し、パント(4回の攻撃以内に10ヤードを超えられないと判断した場合、4回目の攻撃権を放棄してキックで陣地を挽回するプレー)中にプレーヤーの安全性を高めるためのルールを提案するというもの。

Kaggleに掲載されていたコンペ一覧
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 高際氏によると「過去に賞金総額が3億円という課題もあった」という。NFLのほかにも米国土安全保障省などの政府関係機関に加え、リクルートやメルカリといった日本企業も課題を出している。自社で利用中の分析モデルの精度向上はもちろん、高度なスキルや優れたアルゴリズムを生み出す人材採用につなげる狙いもある。

 賞金が出るのは3位まで。賞金とは別に順位に応じて金、銀、銅のメダルが与えられる。例えばコンペに参加する個人やチーム数が99以下の場合、上位10%に金メダルが授与される。コンペの称号はGrandmaster、Master、Expert、Contributor、Noviceの5つあり、最上位のGrandmasterになるには5個の金メダルを獲得する必要がある。チームで授与してもいいが、最低1個は個人で獲得しなければならない。

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