日本マイクロソフトが2019年8月限定ながら「週休3日制」を導入したという記事を書いた。2019年10月31日に開かれた成果発表会で「8月の生産性が大きく高まった」ことを伝えた記事は大きな反響があった。

 SNSを見ると「うちの会社でも検討すべきだ」といった前向きなコメントから、「日本マイクロソフトの業界での強い立場があるからこそ可能なことで、一般には当てはまらない」といった冷ややかな声まで、多くの意見が書き込まれていた。いずれにしても、とかく長時間労働が問題になりがちな日本で、労働時間を短縮しつつ生産性を高めたという事例は関心を呼んだようだ。

日本マイクロソフトだけではない週休3日制

 その後「うちはスタートアップ企業だが、完全週休3日制を導入して成長している。話を聞いてみないか」という電子メールが筆者に届いた。日本マイクロソフトのような競争力が確立して組織体制が整った大企業ではなくスタートアップ企業で、しかも期間限定ではない完全週休3日制とは一体どういうことか。半信半疑のまま取材に行った。

 その企業は東京都渋谷区に本社を置く600(ろっぴゃく)というスタートアップ企業だ。2017年6月設立で、社員数17人という規模である。毎週土日と水曜日を休日とする完全週休3日制を導入している。

 600は無人コンビニ事業を展開している。オフィスやマンションの共用スペースなどに商品を入れた箱を設置。顧客が欲しい商品を箱から取り出すと、商品に付いたICタグを検知して会計する。決済にはクレジットカードを使う仕組みだ。

無人コンビニの箱から取り出した商品をICタグで検知して会計する
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 無人販売という点では自動販売機や「オフィスグリコ」などと競合するが、600の特徴は商品を柔軟に入れ替えられることだ。600は食品だけではなくマスクや女性用ストッキングを含む3000品目以上を扱う。顧客からのリクエストや購買動向に応じて定期的に商品を補充する。

 600は東京23区でサービスを始め、2019年11月から横浜市と川崎市にもサービスエリアを拡大した。2019年4月にダイドーグループホールディングスから約3億円の出資を受けて資本・業務提携を結び、600の無人コンビニとダイドーの飲料自販機を併売する取り組みを推進して、成長軌道に乗りつつある。2024年までに全国で1万台の無人コンビニ設置を目指す。

LINE Pay担当者が独立起業

 600の久保渓社長はベンチャー界隈ではよく知られた人物だ。日経 xTECHの記事にもたびたび登場している。久保氏は2013年にキャッシュレス決済サービスのウェブペイを創業した。

 その後LINEがウェブペイを買収した。

 久保氏は決済サービス「LINE Pay」の立ち上げを主導することになった。

 LINE Payの利用者数が成長軌道に乗ったのを見届けてから再び独立して600を創業。現在携わる無人コンビニ事業を始めた。

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