PCの定型作業を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は働く女性エンジニアの味方になれる。記者は最近、こんな思いを強くしている。RPAの自動化プログラム開発のスキルを身に付けて、企業のRPA導入や活用を支援する女性エンジニア、すなわち「RPA女子」を取材したからだ。

 実は「RPA女子」とは、RPAを使った開発や運用のスキルを備えた女性人材の育成と企業向けの派遣を担うサービスの名称でもある。RPAツール大手のRPAテクノロジーズと人材育成のMAIAなどが2018年5月に始めた。

 今、働き方改革に取り組む企業が増えるにつれて、ホワイトカラーのPC雑務を効率化する手段としてRPAに注目が集まっている。ただ、需要の高まりに対してRPAによる自動化プログラムであるソフトウエアロボット(ソフトロボ)の開発や導入、運用を担う「RPA人材の供給が追い付いていない」(MAIAの月田有香CEO=最高経営責任者)。そこでMAIAはeラーニングやOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)を通じて、RPAの導入・活用の支援に必要なスキルを備えた女性エンジニアを育てるサービスを始めたという。

100人の枠に5000人が応募

 結婚や出産といったライフイベントを境に一度はキャリアを諦めた、あるいは育児が忙しくてフルタイムで働けない――。両社の育成・派遣サービスが想定するのは、就労意欲は高いのに様々な理由から本人が望む形で働けていない女性エンジニアたちだ。

 開始半年で計2期、50人近くのRPA女子を育成した。現在は3期めと4期めの育成カリキュラムを進行中だ。3期は受講生を100人募集したところ、定員の50倍の5000人から応募があった。急きょ、受講生の枠を150人に広げたという。

 記者が取材したRPA女子の1人、関本結希奈さんは元SE。現在子育てで忙しい毎日だ。復職を諦めたわけではない。せっかくならSEの経験を生かして働きたいが、現在のIT業界を見渡すと残業を避けて通れそうになく、子育てとの両立は難しそうに思えた。「ずっと悩んでいた」(関本さん)。

「気持ちに余裕を持って仕事ができる」と話すRPA女子の関本さん
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 関本さんがRPA女子として顧客企業で取り組んだ仕事の1つがクラウド会計ソフトを使った経費精算処理の自動化だ。仕事場所は基本的に自宅。子供を学校に送り出してからの時間や夕飯を終えてからの時間などをソフトロボの開発に充てている。「子供と一緒に食事してから仕事ができる。通勤に時間を取られることもない。気持ちに余裕を持って働けている」(関本さん)。

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