「予算編成にExcelを使っていたが、もはや“お化け”のような状態。複雑な個別要件が詰め込まれており、解読は困難だった」。アクセンチュアの山本輝晃シニア・プリンシパルは2018年11月、東京で開催されたイベントでこんな状況を披露した。

 山本氏は商船三井と川崎汽船、日本郵船の海運3社が共同で設立したコンテナ船事業の統合会社オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)における予算システムの構築に関わった。海運大手が主要事業を統合したことで話題を集めたONEは2018年4月にサービスを開始。世界100カ国以上で、250隻以上の船舶を使ってビジネスを展開しているという。

 冒頭の発言は事業統合前の状況に触れたものだ(注)。コンテナ船事業は世界を股に掛ける。年間予算を立てる際に考慮すべきパラメーターは多く、ロジックも複雑だ。さらに「予算編成中に変更が入ることも珍しくない」。

(注)山本氏の講演はシンガポールに勤務するONE担当者によるビデオ発言を挟んでいた。カギカッコは山本氏または担当者の発言。

 海運3社はこれまで、Excelを使って予算編成を進めていた。だが変更が重なり、時にファイルのバージョンは「40」に達した。「バージョンが上がるたびに、変更の影響を確認しなければならない。そもそもバージョン39から何が変わったのかを確認するだけでも一苦労だった」。

 3社の事業を統合したONEはビジネス規模が一気に拡大した。1社でさえこうした状態だったのに、Excelで予算編成をこなすのはさすがに限界だ。同社は「脱Excel」の決断を下した。

表計算ソフトから離れられないワケ

 「CFO(最高財務責任者)を務めていた頃、大規模なプランニング(計画立案)チームを率いていた。そこで使っていたのは表計算ソフト(スプレッドシート)だ。もっと速く、的確に意思決定を下せるツールがあればと感じていた」。こう語るのは、クラウドサービス事業者である米アナプラン(Anaplan)のフランク・カルデロニCEO(最高経営責任者)だ。

米アナプランのフランク・カルデロニCEO
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 アナプランは予算編成をはじめとする企業のプランニング業務や業績管理を支援するクラウドサービスを提供している。EPM(エンタープライズ・パフォーマンス・マネジメント)やCPM(コーポレート・パフォーマンス・マネジメント)、経営管理などと呼ばれる領域をカバーする。山本氏は同社が開催したイベント「Anaplan Hub Comes To You 東京」で講演した。ONEは同社のサービスを利用し、3カ月で予算システムを構築した。

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