「昔は徹夜続きなんてこともあったけどね」。日ごろ取材をしていると、こんなエピソードに出くわすことがよくある。確かにかつてのIT業界は残業が多く、勤務時間も不規則だと指摘されていたことがある。日本人のエンジニアは相対的に、睡眠時間が足りていないという話の象徴だ。

 典型的なのは、大規模システムの刷新プロジェクト。新システムが稼働する直前の数日間は、プロジェクトルームに泊まり込み。刷新後もトラブル対応で家には帰れないといった話を、筆者は過去に何度も耳にしている。緊急の障害対応で深夜に電話でたたき起こされ、慌てて出社したなんていう苦い経験があるエンジニアもいるはずだ。とにかく眠りに関しては、なかなか難しい課題を抱えた業界であることは間違いない。

 さすがに昨今は政府主導の働き方改革のおかげで、以前のように日ごろから徹夜仕事が続くようなブラックな状況は少なくなっているだろう。ただし、リモートワークで場所を選ばずに仕事ができるようになったことが、かえって睡眠時間を削るという皮肉な結果になっていることは大いに考えられる。職場で終わらなかった仕事を家に持って帰る人は、大勢いるのが現実である。スマートフォンの所有も当たり前になり、枕元に置いて寝ている人も少なくないだろう。

 勤務時間外に仕事の電話やメールをするのは、基本的には「反則行為」だ。とはいえ緊急事態ともなれば、そうも言ってはいられない。システム障害などはいつ起こっても不思議ではないので、こうした現実はIT業界で働く人たちの宿命なのかもしれない。

「睡眠負債」はビジネスパーソンの大きなリスクになり得る
(出所:123RF)

 たとえ徹夜をしなくて済んでも、睡眠不足が毎日蓄積されていくことで日中の眠気が強くなり、仕事のパフォーマンスや集中力が落ちることはよくある。それで手戻りやトラブルを引き起こしては本末転倒だ。疲労がなかなか回復しないだけでなく、ストレスもたまり、最後には病気になってしまうのもよく聞く話である。

 こうした「睡眠負債」のリスクが最近、大きな話題になっている。かつては武勇伝のように語られた徹夜仕事は減っても、日常的な睡眠不足は人手不足が重なって、確実に進んでいる可能性がある。睡眠負債は心身共にエンジニアをむしばんでいく。

 実際のところ、IT業界以外も含めて、日経 xTECHの読者であるエンジニアの睡眠事情はどうなっているのか。簡単なアンケートを用意したので、ぜひお答えいただきたい。睡眠の問題が判明したときは、記事で改善を提言したいと考えている。

エンジニアの睡眠についての実態調査の回答ページ

 なお、調査結果は後日、日経 xTECHで公開する予定である。