ここ1年で持続可能な開発目標(SDGs、エスディージーズ)という言葉に触れる機会が増えた。学生時代に、SDGsを研究テーマにしていた筆者からしても、その普及ぶりには目を見張るものがある。企業の新事業発表会では、「この事業は、SDGsのゴール○○に貢献します!」といった宣言が聞かれる。経営者から一般の会社員まで、胸にSDGsのバッジを付けたビジネスパーソンを目にするようになった。

 建設業界も例外ではない。清水建設は2019年10月16日にSDGs・ESG説明会を開催し、今後展開する事業とSDGsの関係性を説明した。19年2月には日本建築センターが「建築産業にとってのSDGs(持続可能な開発目標)-導入のためのガイドライン-」を発行。その名の通り、建築産業がどのようにSDGsに取り組むべきかを示した。

清水建設のSDGs・ESG説明会の様子。証券会社のアナリストなどが熱心に聞き入っていた(写真:日経アーキテクチュア)
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 SDGsとはSustainable Development Goalsの略称だ。日本語では、「持続可能な開発目標」と呼ぶ。15年に国連で採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」という文書の中核を成す17のゴール(目標)だ。「働きがいも経済成長も(ゴール8)」といった経済性に関する目標をはじめ、「ジェンダー平等を実現しよう(ゴール5)」あるいは「気候変動に具体的な対策を(ゴール13)」といった社会性や環境性に関する目標などを掲げている。

 これまでの国際的な目標は分野ごとに採択されてきた。例えば、気候変動に関する目標としては、地球温暖化防止のための国際枠組み「パリ協定」が有名だ。米国は離脱を決めてしまったが。ともかく、SDGsほど多くの分野を網羅した国際的な目標はいまだかつてない。経済性ばかりを追いかけて、社会性や環境性をないがしろにしてきた20世紀とは隔世の感がある。

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