いま、水中ドローンが熱い。人がめったに見ることのない、海や川の中をのぞくことができるのだ。筆者の「少年心」をくすぐるアイテムである。

 通常の空中ドローンと同じく、販売中の水中ドローンのほとんどが、中国メーカーの製品である。10万~20万円がボリュームゾーンで、50万円あれば水深100mまで潜る製品を選べる。これらの多くは、ホビー用だ。

中国CHASINGの水中ドローン「DORY」
長さ247×幅188×高さ92mm、質量1.3kg、最大深度15m、最大で1時間稼働。スマートフォンでフルHDの水中映像を見ながら操作する。水面にWi-Fi通信用のブイを浮かせておき、このブイと本体をケーブルで接続する。 (出所:シー・エフ・デー販売)
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 最近では、業務用の水中ドローンも出てきた。より深く潜れたり、特殊な計測機器を積めたりする。例えば、養殖業で使ういけすの検査や、ダムの湖中にある構造物の検査で使える。有人潜水調査船には及ばないが、ホビー用の水中ドローンより高性能、といった立ち位置だ。水に潜るダイバーの仕事を、楽にしてくれる。

 筆者は最近、この業務用の水中ドローンを近くで見る機会があった。ベンチャー企業のFullDepth(東京都台東区)の「DiveUnit 300」である。ホビー用と比べると見た目は「一品物」に近い。水深300mまで潜れる。2kgまでの装備を追加できる拡張性や、最小2人で運用できる手軽さが売りだ。2019年10月末に販売を始める。

 ホビー用ならば電器店などで手に取るチャンスがあるが、業務用となるとそうも行かない。写真を添えつつ、紹介したい。

業務用の水中ドローン「DiveUnit 300」
幅430×奥行き650×高さ363mm、質量28kg、最大で4時間稼働。質量と体積の比が、水とほぼ同じになるよう設計してあるという。
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「伝統的な構造」

 DiveUnit 300は、骨組みがむき出しの、いわゆるオープンフレーム構造を採用している。ホビー用の多くが丸みを帯びた流線型であるのとは、対照的だ。水中ドローンとしては、「伝統的な構造」(同社社長の伊藤昌平氏)なのだという。本体内部の大部分を水中に浸す構造で、カメラやコンピューター、電池など、水を嫌う部品だけを耐圧容器に収めてある。

 流線型を使わないのは、生産台数の少なさから、きょう体用の樹脂部品の金型を製作しにくい、という事情もある。一方で、オープンフレーム構造には、「水流が本体内部を透過するために姿勢の制御性能を高めやすい」「新たな計測機器を追加しやすい」といったメリットもあるそうだ。

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