2019年9月に大手携帯電話会社が相次いで第5世代移動通信システム(5G)のプレサービスや実証実験を開始し、5Gを活用した様々な分野のサービスが提案されています。2019年10月15~18日に開催された「CEATEC 2019」でも、5G関連のサービスのデモが多く見られました。

 そこには、4Gのサービス開始時とは異なる携帯電話会社の“苦しさ”も見え隠れします。4Gのときは3Gに比べてスマートフォン(スマホ)の利便性が格段に向上するため、消費者にその魅力を訴求しやすかったのですが、いくら5Gが「高速・大容量・低遅延」と言っても、多くの消費者は現状のスマホの使用感に大きな不満を抱いていないのでなかなか響いてくれません。だから、5Gがもたらす新体験を訴求しようとしているのですが、すぐにビジネスにつながりそうな提案がまだ少ない印象を受けます。

 そうした中で筆者は、「感情の共有」に5Gの可能性を感じています。物理的に離れた場所にいる人同士の感情をつなぐ、という意味です。

 感情を共有するコンテンツとして真っ先に頭に浮かぶのがスポーツです。例えば、先日のラグビーワールドカップ(W杯)の日本対スコットランド戦のテレビ放送は、平均視聴率で約37%、瞬間最高視聴率は50%を超えるという驚異的な数字を残しました。テレビの前だけではありません。約6万8000人が集まった満員のスタジアムに加えて、日本全国で非常に多くの人がパブリックビューイング会場に集まって応援しました。(関連記事:スポーツの熱狂の裏にテクノロジー、ソニーやパナが狙う新市場)。

 テレビ番組を録画するHDDレコーダーが普及する以前は、お気に入りのテレビ番組を見るために帰宅するという人も多かったのですが、録画して見る習慣が定着した現在ではそんな人は少数派です。しかし、スポーツに限ってはリアルタイム性が重要で、現在では人の時間を占有できるほぼ唯一のコンテンツになっています。これはビジネス的な観点では大きな意味があります。例えば、試合のハーフタイムや終了後にチーム関連のグッズ販売の告知をすれば、いいビジネスができるかも知れません。

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