次世代の乗り物として、空飛ぶクルマの注目度が上がっている。参入企業数も鰻登りだ。その1社である米NFTの共同創業者でCEOを務めるカプリンスキー真紀氏の講演を聞く機会を得た。シーズ志向ではない同氏の話には、うなずけるポイントが多かった。

 日経 xTECHでは、空飛ぶクルマについては、多数の記事で紹介している(関連記事1関連記事2)。その中でも、同氏が日本人女性で、イスラエル人の夫と一緒に複数の企業を立ち上げた実績を持つ起業家という経歴から、NFTや同氏への関心は高い(関連記事3)。しかし、実際に話を聴く前、正直なところ、同氏の話も他社とあまり変わらないのではないかと、筆者は高をくくっていた。

講演の様子(出典:日本シノプシス)
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 同氏の話は、IC設計用ソフトウエア(EDA:Electronic Design Automation)大手の米シノプシス(Synopsys)の日本法人、日本シノプシスが主催したプライベートイベント「SNUG Japan 2019」(2019年9月13日に東京で開催)の基調講演として聴いた。SynopsysはNFTに対して、セキュリティーやセーフティーに関する技術や製品を提供することで話を進めており、今回、基調講演者としてカプリンスキー真紀氏に白羽の矢を立てたようだ。

 NFTは同氏と夫が起業した3社目に当たる。起業に当たってはスポンサーを募る必要があるためだろう、同氏のプレゼンテーションの仕方は上手かった。ただし、それだけではなく、NFTがニーズ志向で、共感できるポイントが多かった。同氏によれば、空飛ぶクルマによって、シリコンバレーの通勤時の渋滞を無くす/緩和するのが、NFTの最初の狙いである。渋滞がなくなれば、家族団らんの時間が増えて、シリコンバレーで働く人々がもっと幸せになれるという。

 「現在、発表されている空飛ぶクルマはほとんどが、垂直離着陸の電動航空機であり、地上を走ることは想定されていない」(同氏)。一方、ドアツードアの通勤手段としての空飛ぶクルマは、道路を走ることは必須だとする。技術的には任意の場所で離着陸できるだろうが、多くの空飛ぶクルマが稼働する世界では、安全性などの面から、離着陸は決められた場所(以下、発着場)で行うことになるだろう。「自宅から発着場まで、また発着場から会社まで道路を走れることは欠かせない」(同氏)。

■変更履歴
この記事の掲載当初、講演者の氏名に誤りがありました。正しくは「カプリンスキー真紀」でした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。

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