台風19号が日本に接近中だ。9月9日に千葉市付近に上陸し、関東地方を通過した台風15号がもたらした甚大な被害の記憶が新しく、多くの人が不安を感じながら気象情報を見守っていることだろう。

2019年9月9日に千葉市付近に上陸し、関東地方を通過した台風15号で住宅被害の大きかった千葉県鋸南町岩井袋地区(写真:日経 xTECH)
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 近年、気象災害が激甚化しているような印象がある。被災地が都心に近いため、報道が過剰になっているのか。台風の勢力が強くなってきているのか。そうした疑問を抱きつつ台風15号通過後に千葉県南部の被災地を取材した。そこで見たブルーシートで埋め尽くされた街の様子に衝撃を受けた。住宅など建物の被害を取材し、建築界が取り組むべき課題が2つあると考えた。

 1つは被災した住宅の再建に関する課題だ。住み続ける上で支障があるような住宅被害があっても、災害救助法の支援対象になるとは限らない。

 半壊であれば修理費などの支援を受けられるが、「半分壊れた家で暮らし続けざるを得ない在宅被災者がたくさんいる」と、神戸大学の塩崎賢明名誉教授が指摘していた。「支援制度を使って風呂場など一部を修理した後、それ以外の損傷部分については修理費を出せない場合がある。結果的に住宅の再建に結びつかない」と懸念していた。

 阪神大震災や東日本大震災などの復興に長年携わってきた塩崎名誉教授を取材したのは2018年10月。同年は6月の大阪北部地震、7月の西日本豪雨、9月の北海道胆振東部地震といった甚大な被害をもたらした自然災害が相次いだ。一部破損が多かったのも特徴で、大阪北部地震は住家被害数の約99%、北海道胆振東部地震では約87%が一部破損だ。

 千葉の台風被害で目立ったのは屋根や外壁の部分的な破損で、災害救助法の支援対象外だ。こうした一部破損の住宅について、国土交通省は既存の支援制度を活用し、特別措置として屋根瓦の修理費を補助する方針だ。

 災害が発生するたびに特別措置で支援するだけでなく、住宅再建の仕組みを検討する必要があるだろう。住宅再建で必要な機能や空間、増築の考え方など建築界が貢献できることは多い。

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